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「ローズハートさんって…、女の子と遊ぶのが好きなのかな…」


「え、それはないんじゃないかな?!」


お昼の休息時間の最中、温かい紅茶の入ったカップを片手に自身の頭の中を渦巻く悩みが言霊となって零れ落ちた

自身の暗めの青色の瞳にカップの中で揺れ動く液体が映り込む

他の人の言葉が飛び交う室内に自身の独り言が無意識に飛び出た


すると、その掻き消される予定だった言葉を隣に座る5歳年上の女性の先輩魔法医術師の方が拾い上げる

自覚してしまった自身の中にある上司への好意について悩んでいると、やはり行き着く先は彼の女性関係についてだった



仕事中には考えないようにしているためか仕事以外の時には必ず考えてしまうその事案に表情が歪む

治ったはずの二日酔いに似た頭痛が思考を締め上げる

先輩の有り得ないという声色に疑惑の目を向けた



「だって、あのローズハートさんだよ?今まで星の数ほどの女性から向けられたアプローチを全て躱してきたあのローズハートさんだよ?!」


私の視線の意図を感じとった先輩は捲し立てるように早口で答えを発する

ローズハートさんあの見た目と魔法医術師という職業に心を射止められた病院に通う患者さんだったり、この病院内で働く受付係やら事務員やらがどれだけ群がったか。

そして、それら全てをあの絶対零度の表情で一刀両断してきたことか。

そんな彼に相手にもされなかった女性達のその後の荒れ具合やら。


壮絶な何かをイメージさせる過去の出来事を思い出しているのであろう先輩が遠い目をしながらそれらについて語るのを温かい紅茶を飲みながら聞く


甘さをほんのり含んだ飲み物が冷房で冷えてた体へと注がれるのを感じる



先輩の語られ紡がられる文字を自身の耳が受け止めるが、思考は疑問をどんどん深め始めた



なら、あの一夜はなんだったのだろうか?

女性に興味がないであろう上司もただの男だったという事だろうか

それとも、上司もお酒に呑まれて本能のまま致してしまったという事だろうか


実は致してもおらず、ただの私の勘違いだったのだろうか。


考えてもまったく答えの出ない議案に脳がショート寸前にまで追い込まれる

ドロドロとした得体の知れない感情が胸の奥底で渦巻きを見せる




「…そうなんですね」


納得出来ないと叫ぶ脳を抑え込みとりあえず先輩には、賛同の言葉を告げる


こんなに悩むならこの気持ちに気づきたくなかったと喉の奥に引っかかった言葉を紅茶と共に飲み込んだ

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砂時計(プロフ) - 葵さん» 初めまして!コメントくださりありがとうございます!!可愛いですよねっ、描いてくださった友人のイラストを褒めてくださりありがとうございます!リドルさんの素敵なところをお届けできるように頑張って書いたのでそう言って頂けて嬉しいですっ!! (2021年7月23日 12時) (レス) id: 3e29fdde61 (このIDを非表示/違反報告)
砂時計(プロフ) - チーズ鍋さん» この度はお返事が遅くなってしまいすみませんっ私のお話を読んでくださりありがとうございます。私なりに綺麗な世界観を見せたいと思っていたのでそのようにお褒めいただけて本当に嬉しいですっ!!本当にありがとうございましたっ。 (2021年7月23日 12時) (レス) id: 3e29fdde61 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - うおおおおぉ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!かわぇぇえええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………うるさいですよね。すみませんでした。ほんとリドル君スキッ! (2021年7月19日 15時) (レス) id: 4534ab9975 (このIDを非表示/違反報告)
チーズ鍋 - 言葉選びが素晴らしく、本当に綺麗な文章でした。話の内容も面白く、しかも読みやすいので一気読みしてしまいました。この作品と出会えて良かったです。ありがとうございました。 (2020年10月16日 22時) (レス) id: 067328da22 (このIDを非表示/違反報告)
砂時計(プロフ) - バカさん» この作品を最後まで読んでくださり本当にありがとうございます!!初めてに私の作品を選んでいただけて大変嬉しく思います(><)お褒めの言葉本当に感激ですっっ!!他の作品でも貴方様にお会い出来ることを願っております(;_;)!本当にありがとうございます!! (2020年9月23日 1時) (レス) id: 47df7c7bae (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:砂時計 | 作成日時:2020年8月18日 3時

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