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「…っ！！A！聞いているのか？！集中しろ」
「…っ！！」
怒号が飛び交う。
轟家の敷地内に立つ道場内に自身の体が叩きつけられる音が響く。
上手く受身がとれず節々が嫌な音をあげる。
エンデヴァーさんの拳を真正面から受け体が吹っ飛ぶ。
集中力が続かない思考に嫌気がさす。
これもそれも原因は、紅白半分頭のあいつである。
轟焦凍は、昨日の夜の凍結事件のことを気にしているのだろうか。
朝から夕方のこの時間までの間何度も声をかけた私を出会った当初に戻ったみたいに避けまくっているのだ。
理解できない。
何故だ？
火傷の痕に触れてしまったことに怒っているのだろうか。
軽率であった、自身の行動が蘇る。
友人になれたと思っていた相手から再びここまで避けられると中々、心にくるものがあるのだな。なんて呟く。
「…エンデヴァーさん。すみません」
整理のつかない思考でエンデヴァーさんに謝罪をし体を起こす。
もう一度、お願いしますと構え直すが
「今日はもう終了だ」
「…え」
「その集中しきれていない頭では無理だろう」
エンデヴァーさんの言葉で自身の中身を見透かされているのだと気づく。
そう言葉を吐き捨てて室内から出て行ったその大きな背中を見送る。
正論を突きつけられて言葉を失う。
何かを言おうとした口がゆっくり閉じられていく。
木材と汗の匂いがあふれる道場内で1人座り込む。
蒸し暑いと体が水分を要求する。
肩からズレているシャツをピシッと引っ張り直す。
なぜ、ここまで彼のことが気になってしまうのか難しい問題ではあるがひとつわかっていることは、初めてヒーローを同じように志す人と友達になれたのに嫌われてしまったのがショックだったのだろう。
人生２回目のいい歳した大人のはずなのにおかしいだろ、と思考が笑う。
昔からなぜか、人に嫌われるということに心が過剰に反応を示す
奥の奥の方で嫌われることを恐れているような感覚が走る
そんな中、個性が人の人生さえも決めてしまうこの世界で敵向けの個性だともいえる私の目標を否定もせず共に頑張る同士と認めてくれたことが私は嬉しかったのかもしれない。
それら全てが相まって彼には嫌われたくないのかもしれない。
モヤモヤとする心の中を払拭するために靴紐をきゅっと結び直し走り出した。
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砂時計(プロフ) - yuikaさん» コメントありがとうございます。この度はこの作品を見つけて下さり嬉しい限りでございます。そのお言葉を糧に細々と更新をしていこうと思ってますっ、これからも何卒お付き合いのほどお願いします(〃▽〃) (2021年8月19日 20時) (
レス) id: 3e29fdde61 (このIDを非表示/違反報告)
yuika(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです！思わず一気に読んでしまいました、、、！これからも頑張ってください！！！ (2020年3月29日 15時) (レス) id: 090e0c37e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：砂時計
| 作成日時：2020年1月21日 1時
