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「しょ、焦凍くんが…っ、質問をっ！！！」
「は、は初めてっっ」
「はよく言え」
発狂しそうになる体を抑えながら歓喜に満ち溢れる。
一層鋭くなった視線にごめんなさいと謝罪を付け加えながら心を落ち着かせる。
疑問を聞いてくれたってことは少しでも心を開いてくれたってことだから素直に嬉しかった。
青空と木々の緑色を背景にする彼に笑みがこぼれる。
「えっとね、私の個性がね敵に狙われる？可能性があるから両親の出張の間だけね、預かって貰おうってことらしい」
「個性……？」
とりあえず、簡単に事の成り行きの説明をするため口を開く。
私の説明にいまいち理解出来ないでいるのであろう彼が疑問の声を零す。
スナイパー、という個性
狙撃武器のみを自身の肌から創ることができる。
それにともなって視力も遠くまで見えるように格段に上がる。
敵に狙われるっていうか。
人の命をも、簡単に奪い去ることのできる武器を創れる個性ってなんていうか…
「…敵向きな個性だなって思ったよ」
「敵向き…」
困惑な色を少し含んだオッドアイがこちらへと向けられる。
風が大きく吹き上がる。
体や髪の毛全てを撫で回す。
赤色と白色の間から痛々しいケロイドが覗き見える。
焦凍くんと話していて、なんとなく両親の真意がわかった気がした。
もし、自分達の出張中の間にいきなり表れた個性へ嘆いた私の心が敵へと落ちていかないかという監視の目的もあったのではないか。
愛されていることに心がなにかに満たされていく。
でも、大丈夫。
そんな個性でも、私は
「誰にでも手を差し伸べられるヒーローになりたいんだ」
「個性なんて関係ない。大事なのはその人の心だと思うの」
「自分は自分で、焦凍くんは焦凍くんだしね」
自分の気持ちを貫き通すよ。
困ってる人を救うヒーローになるよ。
この言葉を紡ぐと既視感が溢れかえりそうになる。
もしかしたら、前世の私も同じ意志を持ってたのかな。
頑張ろうねなんて微笑むと
ああ、と柔らかい答えが返ってきた。
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砂時計(プロフ) - yuikaさん» コメントありがとうございます。この度はこの作品を見つけて下さり嬉しい限りでございます。そのお言葉を糧に細々と更新をしていこうと思ってますっ、これからも何卒お付き合いのほどお願いします(〃▽〃) (2021年8月19日 20時) (
レス) id: 3e29fdde61 (このIDを非表示/違反報告)
yuika(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです！思わず一気に読んでしまいました、、、！これからも頑張ってください！！！ (2020年3月29日 15時) (レス) id: 090e0c37e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：砂時計
| 作成日時：2020年1月21日 1時
