キム・テヒョンには騙されない。

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(THside)




Aに急に抱きつかれた時は、本当に心臓が止まるかと思った。









可愛いと囁くと顔を赤くするA。








ズルすぎる。








…って、俺も人のこと言えないか。









"ユンギヒョンを振り向かせるために付き合う"だなんて言って、Aを無理矢理納得させて、付き合った。









本当は、Aに変な男が寄り付く前になんとかしたかったっていうのが本音なんだけど。






まああと、あの時はユンギヒョンにも苛ついてたし。









誤解はないように言っとくと、もしAの思いがユンギヒョンに通じたら俺は手を引くつもり。








それを前提としてAと付き合ってるわけだし。




そりゃ、その時が来たら相当辛いけどさ。









でも、俺はAの笑顔が見たい。









『テヒョン〜』




「ん？」




『好きぃ』




「……俺も。」







俺に大根役者呼ばわりされたのが余程気に入らなかったのか、俺にすり寄ってきて甘い笑顔を見せるA。









ねえA。





俺は君が君の好きな人と結ばれるのを笑顔で見守りたいんだ。









だから、これ以上好きにさせないで。









その手を離せなくなってしまう前に。

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