キム・テヒョンには騙されない。

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人間というのは妬む生き物だと思う。





自分が相手より優れている所より、相手が自分より優れている所の方が目についてしまう。






今じゃ私は孤高の姫君だなんてふざけた名前で呼ばれているくらい友達付き合いがないけど、中学まではそうでもなかった。





むしろ友達は多くて、いつも友達に囲まれて笑っていたと思う。





でも、必ずそれを快く思わない人はいる訳で。







ある日から、私を悪く言う人達が出てきた。






その数はどんどん増えていった。






自分で言うのも何だけど、人並みよりは容姿が良くて、成績も常に学年トップで先生からも可愛がられていた私のことを他の人が妬むのは容易いことだった。








気づけば一人ぼっちになっていて。







しまいには嫌がらせまで受けるようになった。








ふと目を離した隙にバックはプールに放り込まれ、机の中はゴミだらけ。







『…馬鹿じゃないの。』







もう悲しむことすら疲れるようになっていった。









前までは「Aちゃん、Aちゃん」だなんて引っ付いてきていた子達も私をあざけ笑うようになる。








でも不登校になるだなんてプライドが許さなかったから、毎日学校に通い続けた。








例え教科書が無くなったって、体操服が泥だらけにされていたって、授業を受け続けた。









そんな私の姿が案外いじめにこたえていないように見えたのか、私をいじめていた子達は、いじめ方を変えてきた。








今まで私の持ち物を痛めつけたり、無くしたりしてきた彼女達は、私自身を痛めつけようとした。







ある日、学校から帰ろうとしている途中、急に路地裏に連れ込まれて、思い切り殴られた。






8人くらいの大人数に囲まれて、ひたすら蹴られたり殴られたり罵られたり…




体中が痛くて、今まで我慢していた涙が溢れそうになった。







もう限界。







そう思ったとき。








「なぁ、お前ら、何してんの？」






機嫌の悪そうな声でそう言う、肌の白い華奢な男の人が私達の前に現れた。

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