向日葵の咲くおうち ②【雪】 (ページ32)

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陽葵は人見知りもしないし、挨拶もできていい子だな！なんて誇らしい気持ちになりながら同期の待つ会議室へ向かう。

会議室に到着し、中に入ると同期が机の上にたくさんの本を並べていた。

佐久間「おまたせ〜！」

【おっ、いらっしゃい。いや、どっからどう見ても親子じゃん】

佐久間「やっぱり？多分、明日から社内で有名人だわ！めっちゃ見られたもん。ま、いっか！だって俺っちが陽葵のパパに見えてるってことでしょ？最高じゃん！」

【いや、お前がいいならいいけどさ。笑】

佐久間「陽葵。お兄さんに挨拶しな？」

陽葵『はなざわひまりです！5さいです！』

【こんばんは。僕は佐久間くんのお仕事仲間です。今日は、わざわざお手伝いに来てくれてありがとう！陽葵ちゃんには絵本について、いくつか質問したいんだけどいいかな？】

陽葵『うん！』

それから表紙や中身について【どっちの方がおもしろそう？】みたいな感じで聞かれる質問にうーんと唸ったりしながらきちんと答えていく陽葵。

じっと座ってられているだけですごいと思うんだけど、阿部ちゃんと勉強してるから集中力が身についたのかな？

陽葵がしっかり者で俺の出る幕がないので、目の前に置いてあった絵本を読んでみると意外と面白くてじっくり読んでしまった。

【おーい、佐久間。終わったんだけど？】

佐久間「はっ！ごめん！普通に面白くて絵本の世界に入っちゃってたわ！」

【いや、それは嬉しいけど。これ持って帰って陽葵ちゃんに読んであげて。今度、感想聞かせてよ】

佐久間「わかった。今週中くらいでいい？」

【うん。陽葵ちゃん今日は本当にありがとう。】

陽葵「ひま、たのしかった！おにいさん、ありがとう！」

【……お前が溺愛する気持ちがよく分かった。】

佐久間「だろ？じゃあ、また連絡する。またな」