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、
『え、なに？聞こえなかったんだけど！』
「……なんでもない！！」
『えー。嘘じゃん！』
「いいから、何飲むの？いつもの？」
『いつもので分かんの？』
「当たり前でしょ。」
、
運ばれてきたのは私の好きなレモンサワー。
この幼なじみ、私の事なんでもわかっているな？
、
『こわ、なんで分かったの。』
「怖くねーわ！
いつもイラついてる時の1杯目はレモンサワーでしょ。
で、2杯目は梅酒ロック。」
『……せーかい。』
「で、今日はどんな男にドタキャンされた訳？」
『んー？』
、
酒を煽りながら、ぽつりぽつりと話す私に
呆れた顔をしつつも、きちんと聞いてくれる亮平は
やっぱり優しい。
、
『どうしていつも男運がないんだろ。
私、このままだと孤独死しそうじゃない？
そしたら亮平が骨拾ってね？』
「何その怖いお願い。」
『私は真剣なんだけど？』
「お前、まぁまぁ酔ってるでしょ。」
『全然酔ってませーん。』
「酔ってるやつほどそう言うんだよ、ばーか。」
と彼は私のおでこにデコピンをした。
昔からの癖。
『痛い！』
「そんなに痛くなかっただろ！」
『絶対おでこ割れた！』
「割れるか、ばーか！」
『責任取って！』
、
どうせまたふざけて言い返されると思ったのに、
返ってこない言葉に顔を上げると真剣な眼差しの彼と
目が合った。
、
「いいよ、俺が責任とってあげる。」
『……え？』
「もうAが傷つく姿見るのは嫌なんだよ。
幼なじみだからって好きじゃなかったら
ここまで良くしないから。
お前が俺の事好きになるの待ってたけど、
全然ダメだからもうやめた。
今まで散々な目にあってきたお前に
俺が愛される幸せ教えてあげるから。
俺じゃだめ？」
、
『……だめ…じゃない。』
、
幸せは私が思っていたよりも
近くに落ちていたのかもしれない。
Fin
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緑色の表紙のテーマは【幸せは近くに】です。
街を歩くと幸せそうなカップルが溢れていて、しんどくなる時が私にもあります。
どうしてあの子はいて自分にはいないんだろうって、思ってしまうときもあります。
そんなとき、周りを見渡せば、身近にいい人がいる、かもしれないという思いを込めて書きました。笑
実際に私の周りにはいなかったけど！笑
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作者名：Sakuya
| 作成日時：2020年12月3日 12時
