【緑】俺にしとけよ ページ34
、
私の男運はそれはそれは酷いものだ。
浮気、二股、やり捨て…思い出すのもしんどいから
これくらいにしとくけど。
私、もしかして前世でなにか悪いことした？
私だって人並みでいいから幸せになりたいのに、
どうしていつもこうなんだろう。
街に出れば、たくさんの幸せそうなカップルとすれ違う。
今、目の前で彼氏と腕を組んで幸せそうに笑う女の子より
きっと私の方が化粧だって、体型維持だって
頑張ってるのにどうして…？
なんて醜い考えをしているからダメなのかな？
そうしていつも自己嫌悪に陥っては、
勝手に一人で落ち込んで自己肯定感を低くしている。
、
今日は楽しみにしていた映画デート。
付き合ってはないけど、気になっている人。
前の日から楽しみで全然寝れなくて、
まるで遠足が楽しみで寝れない小学生みたいだと
自分で笑ってしまった。
着る服だって前日から決めて、
カバンの準備だってしていたし、
奮発して新しいデパコスのリップだって買った。
それにも関わらず彼から来た連絡は
【やっぱり今日は無しで。ごめんね】
の当日ドタキャン。
彼女でもなんでもない私は【なんで！？】
なんて言えなくて【分かった！】と
物分りのいい女のフリをする。
本当はとても傷ついているのに。
、
こんな時いつも連絡するのは幼なじみの亮平。
文句を言いながらもなんだかんだ付き合ってくれる。
、
【りょーへーくーん！】
【どうした？いや予感しかしないけど。】
【また、男にドタキャンされた。】
【は？また？なんで？】
【知らないよ！】
【もー、しょうがないなー。飲み行く？】
【行くっ！】
【18:00に駅前のいつもの居酒屋な。】
【亮平、大好き♡】
【はいはい。】
、
集合時刻の10分前、亮平が現れた。
「おまたせ。今日は来るの早かったんだね。」
『うん、だって暇だったんだもん！』
「はぁ、愚痴はあとから聞くから。行こ。」
『はーい！』
、
店に入ると、予約してくれていたようで
いつものカウンターではなく奥の半個室に通された。
、
『え、どうしたの？』
「優しさだわ！隣が近いと話しにくいだろ。」
『ちょっと亮平、優しすぎない？』
と言った私に、ぼそっと亮平が何かを呟いた。
、
「……優しくするのは、お前にだけだよ。」
、
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1096人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Sakuya
| 作成日時：2020年12月3日 12時
