SNOW SNOW SNOW 2号店 (ページ22)

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【青】同じ空の下でページ22

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親の仕事と教育方針で家の中では常に英語を使っていた私にとって、英語は日本語と同じくらい身近な言語だ。

当然のように県内でトップの外国語科がある高校に進み、地方にある授業の全てを英語で行う国公立大学を卒業し、東京に戻ってきた私は総合商社に就職した。

そして来年度からは、入社当初から希望していたアメリカでの勤務が決まったのだ。

選ばれたことは、とても嬉しくて光栄なことだけど、私にはひとつだけ引っかかっていることがある。

彼氏の翔太のことだ。

翔太とは実家が隣で幼い時から中学まで一緒に過ごしたら所謂幼なじみってやつで歳は彼が2つ上。

お付き合いを始めたのは私が社会人になってからのこと。

幼少期から翔太との関係が壊れてしまうのが怖くて、こじらせ片思いを10年ほど続けていた私に同じく幼なじみの涼太がきっかけを作ってくれたのだ。

いざ、蓋を開けてみたら翔太も同じだったみたいで「俺ずっとお前しか好きじゃないけど？」なんて言われた。

は？どの口が言ってんの、あんた何回も私に彼女を紹介したじゃない！と思ったけど私もショックを受けて同じことを仕返したことがあったので黙っておいた。

そんなこんなで晴れて翔太の彼女になってから、まだ1年ほどしか経っていない。

自ら望んだことだが、このタイミングでアメリカに行くことになってしまった。

翔太の反応が怖くて、なかなか言い出せずに時間だけが過ぎていく。

こんなとき私が頼るのはいつも涼太だった。

突然『今日飲みに行こう』と誘った私に「いいけど、大丈夫？なんかあった？」と言ってくれる涼太は昔から私に優しい。

まぁ、私に優しいというより、女の子みんなに優しいんだけどね。

なんで涼太じゃなくて翔太を好きになったのか、大人になった今でも理解できない。

仕事終わり、駅で待ち合わせた涼太と合流して3人でよく行くキレイめな個室居酒屋に入った。

お酒の強い涼太は、今日も顔色ひとつ変えていない。

一方で人並み以下の強さの私は2杯目か、だんだん雲行きが怪しくなってきていた。