【黄】だってお年頃だもん ページ1
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俺の妹は高校3年生。
『にぃに!まってぇ!』
なんて弟と一緒に俺の後を一生懸命ついてきて
可愛かった妹はどこへやら…。
最近は口を開けば
『ねぇ、お小遣いちょうだい。』
『私の制服とひかるのパンツを一緒に洗わないでよ!』
なんて俺の事を中年の親父と同じ扱いしてないか!?と
口には出さないけど少しだけ傷ついている。
だけど、嫌いになれないのは家族だからだろう。
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ある日、休日出勤の代休で仕事が休みの俺は
家族のいないリビングで映画鑑賞を楽しんでいた。
そんな時、鳴り響いた家の固定電話。
固定電話なんて今どき滅多にかかってこないから
セールスか何かだろうと思ったけど、
何となく嫌な予感がして出てみると
相手は妹の通う高校の養護教諭だった。
Aが熱を出して1人で帰れそうにないので
迎えをお願いしたいと言われたので、
直ぐに行きますと返事をして家を出た。
妹は自転車で通える自宅近くの高校を選んだため、
車で向かった俺はすぐに目的地に到着した。
守衛さんに事情を説明し高校の中に入る。
この高校の卒業生である俺は一直線に保健室に向かった。
ノックをして保健室に入ると、いたのは
俺も在校中お世話になっていたおばちゃん先生。
【あら、岩本くん。】
「どうも。いつも妹がお世話になってます。」
【いつも話は聞いてるわ。逞しくなったわね〜。】
「いえそんな。A、俺の話とかするんですか?」
【あら?いつもしてくれるわよ〜!?
お兄ちゃんはムキムキで優しくてかっこいいんだって。】
「マジですか。家ではそんなこと言わないのに。」
【お年頃だもの。恥ずかしくて言えないのよ。】
ふふふと笑う先生の奥にあるカーテンで
仕切られたベッドから『せんせ?』と声が聞こえた。
【あら、起きたみたいね。】
先生の後ろをついていくと、
顔を真っ赤にして苦しそうにしている妹の姿。
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作者名:Sakuya | 作成日時:2020年12月3日 12時