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『佐々木大光です』
壁に取り付けられた大きな薄型テレビの中の大光を、龍斗が無表情で眺めている。岸くんは不思議な気持ちで彼の美しい横顔を眺めていた。
“きし”の店内にあった小さなテレビの中の龍斗を見ていた、少し前までの大光を思い出す。
龍斗を見る大光は、いつも誇らしげに微笑んでいた。
『俺はDreamingに入りたいんです』
テレビの中で大光が、紫耀に言った。
岸くんの向かいでいつもの葉巻を吸っていた紫耀は、龍斗に聞こえないようにこそっと呟く。
「お前の弟分、ああ言えばこう言うな」
「ああ、…なんか、うん。マジ、ごめん」
紫耀が龍斗をここに連れ出してきたのは数時間前のことだった。
龍斗に気晴らしに外の空気を吸わせてやりたいとスタッフに頼んだら、車で移動するだけならと許可が出たらしい。
龍斗は記憶を失ってはいるものの、自分がアイドルだったことは新たに理解したらしかった。
学校と仕事に追われていた頃よりは、なんとなく穏やかな顔つきになっていた。
テレビではDreamingの冠番組、愛Dreamingがオンエアされている。
岸くんが大光を落としてほしいと頼んだからか、紫耀は視聴者の印象操作を試みてくれたようではあった。
「…まあ、問題無いよ」
「え？どゆこと？」
「見てりゃわかる」
画面が切り替わる。
____順位とフォーメーションの発表を受けて、どう思いましたか？
『14位か〜。正直悔しいっすけどね。
でも、ここの位置は大きく踊れるから嬉しいっすよ。どこで踊ってても、見てくれてる人は見てくれてるし』
テレビの中の大光はそう答えていた。
先程の紫耀と話していた場面よりも心なしか洗練されているので、比較的最近なのだろう。
「あれ？大光って2位じゃないの」
「うん。ちょっと下げてって頼んだ」
「ちょっと？…随分下がったんだな」
「…岸くんさ、どっちなの。落ちてほしいんでしょ？」
「うん…でも…」
一見爽やかに装いながら龍斗の場所を虎視眈々と狙う候補者たち。彼らが龍斗になれるわけではなくても岸くんはあまり良い気持ちがしない。
だが、ほんの数名そうではないように見える候補者がいる。
もちろん大光もその1人だ。
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LIKKA(プロフ) - みよさん» コメントありがとうございます…リトかんハマりかけてます。初っ端からクセの強い役で申し訳ないです（笑） (2020年8月7日 1時) (
レス) id: 39c1d8fd7b (このIDを非表示/違反報告)
みよ(プロフ) - まさかのにしたくの登場に興奮しています笑 (2020年8月7日 1時) (レス) id: 9238d6c588 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：LIKKA | 作成日時：2020年8月6日 21時
