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濡れた白いハンカチを見つめ、大光は頭の中を整理しようと試みていた。分かりそうで分からない。Aの話は別に支離滅裂だったわけじゃないのに、全く分からないのは多分そこに秘密が多すぎるからだ。
「おいっ、なにぼーっとしてんねん！」
「あっ。ごめん」
「佐々木、疲れてんの？サビ前から通そうかと思ってたけどやめる？」
「いや、やる。やろう」
オーディションでは、20人を4グループに分けてのパフォーマンス対決が始まっていた。
偶々駿佑と同じグループになれたし、他の3人も穏やかな性格の内村颯太と橋本涼、和田優希で大光は正直ラッキーだなと思っている。
彼らが自分はセンター向きでないと遠慮した結果、じゃあボクでええ？と手をあげたのは駿佑だった。
「んじゃ、リーダーお願いしますっ！」
「よーしやるぞ！」
ちなみに大光はいつの間にかリーダーに任命されていた。
駿佑の歌声に合わせて体をビートに乗せながら、やはり頭ではAのことを考えていた。今までは踊っていれば何も考えなくて良かったし、考えられなかったのに。
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「どこ行ったのかな、みっちー」
そう問えば外国人チックに肩を竦める涼は何から何まで垢抜けていて、大光は芸能人ってこういうことか、と言葉では説明できない納得感を得ている。
親が車で迎えに来ている颯太、別件で用事があるという優希以外の3人で帰ろうとしたところ、駿佑がスタッフに呼び出されたのを2人は待っていた。
「…操作の話かもねー」
「なにそれ？」
「ネット見た？ちょっと荒れてんの」
大光は首を横に振る。
涼の話では、第1回の投票結果が公開された時からファンの声と順位の乖離が話題になってはいたが、テーマ曲『Dream Catcher』の個人ダンス動画が公開されてから候補生の注目度が再生回数という明確な数字でバレてしまい、運営による順位の操作が疑われているということだった。
「再生回数、龍我が1位なのは変わらないけど、2位、大光なんだよね。初回から1人だけ…なんていうか、お笑い路線だったから、Twitterでもずば抜けて人気あったよ」
「でも俺、もとから作ちゃんの知り合いだから…」
「…だとしたら余計に、14位はおかしいよ」
「あ…そっか」
涼の手の中、再生回数順に並べ直されたリストの底の方に涼と優希の動画があった。
2人とも第1回の順位発表では10位以内に入っていた。無論その順位に見合う魅力があって、順位が操作されているだなんて思ったこともなかった。
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LIKKA(プロフ) - みよさん» コメントありがとうございます…リトかんハマりかけてます。初っ端からクセの強い役で申し訳ないです（笑） (2020年8月7日 1時) (
レス) id: 39c1d8fd7b (このIDを非表示/違反報告)
みよ(プロフ) - まさかのにしたくの登場に興奮しています笑 (2020年8月7日 1時) (レス) id: 9238d6c588 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：LIKKA | 作成日時：2020年8月6日 21時
