もし...僕達があの時信頼していたら【オリオンの刻印】

101話 先に ページ8

舞桜side









舞桜「……この飴を舐め終えた頃に僕はフィールドから上がらせて頂くので……」

監督「そうですか、分かりました。頃合を見て適当に交代させて上げましょう」

舞桜「…ありがとうございます」







僕はそう言ってフィールドへと上がる









今はここに来た時とは違う思いが心に溜まっている







今すぐ逃げたい





帰りたい


ドイツに帰りたい







もうここには居たくない








献身的になる気にもなれない




大人しくいる気にもなれない





簡単に言うともう何もしたくない








頑張った結果を笑われた









もうそれだけでも疲れるのに





まあこの場から逃げられるなんて嬉しい限りだけれど









僕の心はいまズタズタになってる気がする




きっとどす黒い感情に塗れていて
醜い塊になってそう




否、なってる





瑞希にはものすごく言いづらくて申し訳ないんだけど……






多分この感情は瑞希に向けてのものだと思う



僕が言うのは傲慢だ

もう口をつぐんでプレイに集中するべき





そう言って深呼吸をしてまだ余りある……僕にとっては残り少ない時間に目を向ける

小さくなりかけている飴を舐めながら

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