393(uno) ページ5
○uno said
宇『何もしてないよね？』
末「なにが？」
宇『昨日。』
あぁ、と呟く秀太の目はステージで歌う真司郎とさくらに向けられていて。
私は小さくため息をつく。
会場から響く声は2人ならではの独特のハーモニーで癖になる。
千晃のパートを歌うことが多いさくらは必然的に秀太とのハモリが多くなる。
だけど声質的には私に近いさくらは真司郎の声との相性は悪くない。
…むしろ、私はかなり良いと思ってる。
さくらとのパフォーマンスに拘っていた真司郎。
その姿を見てもしかして？なんて考えたりもしたけど真司郎が抱くさくらへの気持ちと秀太が抱くさくらへの気持ちはどうやら違うみたい。
ずっと1番年下で、なんやかんやで甘えて過ごしてきた真司郎。
だけどその分、1番下からグループを押し上げるきつさを誰よりも知っている。
真司郎だから分かってあげられるさくらの気持ちも、さくらだから分かる真司郎の気持ちもあるだろう。
だからこそ、この2人の結びつきは特別で、時々少し羨ましくなる。
末「ごめんな。」
宇『ん？』
末「勝手なことして。」
宇『…そんなこと思ってないよ。珍しいなとは思ってるけど。』
末「珍しい？」
宇『よく考えたら12年間で、秀太が自分の気持ちを優先させたの初めてだから。』
末「そんなことはないけど。」
ずっとステージに向いていた目が私を見て、秀太は少し困ったように笑う。
末「でも俺にとってなにより大切なのがAAAであることは変わってないから。みんなも、さくらも傷つけないってことは約束する。」
宇『そんなこと、少しも心配してないよ。頑張れ。』
末「宇野ちゃんに言われるとなんかうれしくなる。」
ス「毒林檎組スタンバイです！」
スタッフからかかる声にお互いの肩を叩いてステージに向かう。
ずっとさくらと入れ替えて歌ってきたからこの曲をファンのみんなの前で歌うのは初めて。
link youとはまた違う、バラードじゃないからこその私たちを魅せる。
ステージから見える客席。
歓声。
重なる声、ダンス。
この瞬間、私はAAAとして生きてきて本当に良かったと感じる。
だからこそ、どうか。
みんなが幸せに。
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ましゅ(プロフ) - おかえりなさい、であっているのか分かりませんが待ってました。本当にこうやってまたsakuさんの執筆されるのが読めると思うとワクワクです。これからもsakuさんのペースで更新していってください。 (2019年8月6日 22時) (
レス) id: eadb1e86ec (このIDを非表示/違反報告)
rano(プロフ) - sakuさんのペースでこれからも頑張ってください！！ (2019年5月22日 23時) (レス) id: 84b15d4196 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 初めまして。毎日来てはいちから読み直してます！いつも感動させられてます！更新楽しみにしてます！ (2019年4月3日 19時) (レス) id: 7a71984a73 (このIDを非表示/違反報告)
saku(プロフ) - さなっちさん» わ〜〜！！気づきませんでしたありがとうございます！修正しました（ ; ; ）頑張りますので完結まだぜひお付き合いください〜〜！更新遅くて本当にごめんなさい！！！ (2019年3月28日 7時) (レス) id: 62025c77a8 (このIDを非表示/違反報告)
さなっち - はじめまして。 この小説、とても共感しました。 お話の番号が395から369になっていましたが大丈夫ですか？ 続きが、すご〜〜〜〜〜く気になります。sakuさん、頑張ってください！応援してます。 (2019年3月25日 22時) (レス) id: c90a3cc57a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：saku | 作成日時：2018年6月18日 20時
