413(atae) ページ26
○atae said
與『あれ、さくら。』
あ「しんちゃん、お疲れ様。」
ソロのレコーディング終わり。
もうすぐ深夜1時を回ろうとするこんな時間に、事務所の玄関でさくらと鉢合わせる。
手に持っている台本を見て、そういえば映画のオーディションがあるとか言いよったな、と考えつく。
與『仕事終わり？』
あ「うん、しんちゃんも？こんな遅くまで大変だね。」
與『それはさくらもやろ？帰らんの？』
あ「うん、帰るところ。」
そう言って力なく笑ったさくらが台本をカバンにしまう。
與『オーディション、もうすぐやったっけ？』
あ「うん、初めての映画だしヒロインだし緊張してて。」
與『いつ？」
あ「明後日。」
明日はAAAの仕事があるのに、忙しいのはメンバー全員やろうけど本当にさくらもよお頑張る。
そんなことを考えながら1人で感心する。
全国を回るライブツアーは期間が長い分、１つ１つの公演の間が空く。
頭の中には常にライブツアーの途中だってことが引っかかってて、その中で他の仕事をこなしていくのは体力的にも精神的にもかなりきつい。
俺がそんなライブスケジュールに慣れてきたのは最近な気がする。
與『あんま無理せんように。頑張れ。』
あ「…しんちゃんが優しい。」
與『俺はいつも優しいわ！』
俺の言葉にさくらがまた、不安そうに笑う。
かなり追い詰められてんやろうなあ、と可哀想に思いながらもこれがさくらの仕事だから仕方ない。
俺がどれだけ映画に出たい、演技の仕事がしたい、と思ったってそんなチャンスは巡ってこない。
それはきっと、逆もそうなんだろうけど。
だからこそ、与えられたチャンスに死に物狂いで食らいつくのも俺たちの仕事だ。
応援してくれるファンのみんなに、少しでも沢山の形で何かを届けられるように。
與『まあ…こんな時もに聞くのもあれやけどさ、』
あ「うん？」
與『元気ない原因って、オーディションのことだけなん？』
あ「…私は元気だよ？」
俺の言葉にそう言うさくらはやっぱりいつもとは違って、小さくため息をつく。
ずっと、気になっていた。
さくらの態度、言葉、目線。
気づかないふりをしようと思った。
だってそれは、「仕事」とは関係ない部分で、助けてやりたいけど無理に口出すことでもない。
さくらがさくらなりに考えて、整理して、答えを出すこと。
だから見守っていようと。
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ましゅ(プロフ) - おかえりなさい、であっているのか分かりませんが待ってました。本当にこうやってまたsakuさんの執筆されるのが読めると思うとワクワクです。これからもsakuさんのペースで更新していってください。 (2019年8月6日 22時) (
レス) id: eadb1e86ec (このIDを非表示/違反報告)
rano(プロフ) - sakuさんのペースでこれからも頑張ってください！！ (2019年5月22日 23時) (レス) id: 84b15d4196 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 初めまして。毎日来てはいちから読み直してます！いつも感動させられてます！更新楽しみにしてます！ (2019年4月3日 19時) (レス) id: 7a71984a73 (このIDを非表示/違反報告)
saku(プロフ) - さなっちさん» わ〜〜！！気づきませんでしたありがとうございます！修正しました（ ; ; ）頑張りますので完結まだぜひお付き合いください〜〜！更新遅くて本当にごめんなさい！！！ (2019年3月28日 7時) (レス) id: 62025c77a8 (このIDを非表示/違反報告)
さなっち - はじめまして。 この小説、とても共感しました。 お話の番号が395から369になっていましたが大丈夫ですか？ 続きが、すご〜〜〜〜〜く気になります。sakuさん、頑張ってください！応援してます。 (2019年3月25日 22時) (レス) id: c90a3cc57a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：saku | 作成日時：2018年6月18日 20時
