24(shuta) ページ25
○shuta said
社「やあ。」
声合わせのために全員でボーカルレッスン室に入ると椅子に座っている社長。
西「わー!松浦社長!お久し振りです。何してるんですか?」
社「ちょっと声合わせ聞こうと思って。初めての7人での歌だから。」
そう、俺たちが7人で合わせるのは初めてだ。
…なぜ?
ずっと、社長に聞きたいと思っていた。
声を、ダンスを、合わせてみてから合格を出すべきじゃなかったのか?
せめて、合わせてみてから正式に公表するべきじゃないのか?
もし、どうしても無理だったら…
俺たちはグループだ。
どれだけダンスが上手くたって、歌が上手くたって7人で良いものを作らなきゃ意味がない。
それなのに……
浦「とりあえずさよならの前にを通すから。全員今までのパート割で、さくらちゃん千晃のパート大丈夫だよね?」
あ「はい。」
ドームツアーでも歌う予定の曲。
…千晃が大好きだと言っていた曲だ。
俺は黙ってヘッドホンを付けてマイクの前に立つ。
7人で円になって向かい合う。
丁度目の前に立つあいつが俺をちらりと見たのが分かって目をそらす。
…どんな顔をして歌えば良いのか分からない。
西 「 最後のページに結末があるように」
にっしーのいつもの透き通るような高音で歌が始まる。
西・あ「「揺れる気持ちを」」
あ「胸の奥に秘めたまま」
にっしーの声に綺麗にはもる
千晃とは違う、力強い声。
みんな目を閉じていてどんな表情をしているのか分からない。
あいつだけが不安そうに瞳を揺らして歌っている。
浦・末・あ「「『これが2人の』」」
浦・末「「結末と知っても」」
初めて重ねたあいつの歌声はどこまでも綺麗で
どこまでも千晃とは違う。
末『君にさよなら告げるため僕ら』
あ「あんなに愛し合ったのかな」
俺のメロディーを引き受けるあいつと目が合う。
ここではいつだって、千晃が笑いながら音を繋いでくれた。
そんな、遠くまで響かせるようなぴんと張ったソプラノじゃなくて………
末『相性良くない』
曲が終わって、イヤホンを外して、1番最初に口を開いたのは俺だった。
浦「秀太!」
末『声質が根本的に合ってない。ハモりのとこ気持ち悪い。』
俺の言葉に固まったように動かないあいつは目をそらすこともなく俺のことをまっすぐ見ている。
481人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
nao - sakuさん» すばやい対応ありがとうございます!返信も頂けて嬉しいです(*ノ▽ノ) (2018年3月1日 12時) (レス) id: 61725516a7 (このIDを非表示/違反報告)
saku(プロフ) - naoさん» コメントありがとうございます(;_;)対応遅くなりまして申し訳ありません!修正しました!ご指摘本当にありがとうございます(;_;)!!!これからもよろしくお願いします(;_;) (2018年3月1日 8時) (レス) id: 7bf4716d7e (このIDを非表示/違反報告)
nao - 楽しくて何度も読み返しています!No.45、46のページが一部ですが名前変換されないため、もし出来るなら確認していただきたいです。これからも楽しみにしてます! (2018年2月28日 2時) (レス) id: 61725516a7 (このIDを非表示/違反報告)
saku(プロフ) - あゆさん» コメントありがとうございます!更新まばらになっててもどかしい思いさせてしまうこともあると思うんですけどなるべく毎日更新したいなって思っているので続編もぜひのぞいてください! (2017年11月18日 10時) (レス) id: 7195a09c85 (このIDを非表示/違反報告)
saku(プロフ) - ao.aoさん» コメントありがとうございます!応援したくなるって言われて本当に本当に本当に嬉しいです!届かない虹IIではもっとメンバーの良さを出していけたら良いなと思っているのでまた覗きに来てください! (2017年11月18日 10時) (レス) id: 7195a09c85 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:saku | 作成日時:2017年11月8日 16時