WILD DOCTORS 16

あのお方 ページ27

「おっさんが嫌いってより、心の中見られるのが嫌なんじゃない？
ケンチが図星なこと言ったから自分のテリトリー守るために攻撃的になった。」

「だろうね。
将吉とか愁平ってズバッと嫌なこと言えなくて優しすぎて余計なもん拾ってきちゃったりするじゃん？」

「だね。
呼び捨ては友達感覚でしょ？」

「だと思うよ。
でも、友達じゃないからな。年上で、医者だからな。」

「身元引受人が母親なんだよね、父親いるのにだよ。
ちょっぴり引っかかる。」

「その辺はあの人…和希君が調べてくるんじゃない？
親子の関係とか。」

「だね。
何かあるのかなぁ。
帰りが遅くなるのはやだなぁ。」

「俺もやだなぁ。
ヤブとかオヤジとか言われるの。
今度はお前行け。」

「てーたんはそんなすぐに出てったらつまんないじゃん。
じゃ、あのお方にお出まし願うかな。」

「呼っんだぁ？」

なぜわかったんだろう？

「たーくん、ＪKの臭い嗅ぎ取ったの？」

「それもあるけど、そろそろてーたんからお呼びがかかるかなぁって。」

嗅ぎ取った？！
恐るべし敬浩君の嗅覚。
女子のことは見逃さない…。

「ケンチ君じゃあのタイプは無理だよ。」

「え？もうチェック済みなの？」

「だって〜(*´艸｀*)
個室にＪK、ってことはお友達がお見舞いに来る、それもＪK、見なきゃたーくんじゃないっしょ？」

「確かに。」

「じゃあたーくんお話してみてくれる？」

哲也の言葉ににっこり笑った敬浩君。

「何聞き出せばいいの？」

「1番知りたいのは、なんで将吉と愁平をいじめてんのか、だけど、あまり核心突いちゃうと余計に砂に潜っちゃうかもだから、うまいことやって。」

「潜らせないでギリまで聞いちゃうのね。
りよーかーい(^_^)/」

「あ、敬浩君！
今度はもぐもぐしちゃだめだからね。」

「ケンチ君たら、
ま・じ・めさん♡」

手をひらひらさせて部屋を出ていく敬浩君の背中は楽しそう。

「まぁ、モグモグはしないでしょ。
捕まっちゃうもん。」

哲也はそう言うけど…心配症って損だな(-_-;)胃が痛いわ…。

✲✲✲✲✲

「愁、あの子転院した？」

「まだ。
困ったもんだ。」

「親は何してんの？
母親毎日来てるんだよね？」

「らしいけど…個室に入れてるぐらいだから甘やかしてんじゃねーの？」

「ふーん。
早く出てかないかなぁ。」

「みお、あんま近づくなよ。
何考えてるかわかんねーからな。」

「うーん。」

「だめだぞ。
いつもみたいのは。」

そうは言ってもね。

和希君なりすます→←素直になれなくて

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す