WILD DOCTORＳ

甘くて酸っぱい ページ29

「大樹！空飛のことどうなった？」

「児相が親探して捕まえて、結局ネグレクト
と暴力認めて親は逮捕。
　空飛君と妹の花ちゃんは、同じ施設に入れ
るよう児相も探してくれています。」

「親が逮捕となれば妹ちゃんもなぁ。
　かわいそうに。バカ親が！」

「話は変わりますけど、うちのねーちゃんの
事ですけど、いつから好きでした？」

「なんだよ急に(ﾉ´∀｀*)
　前から好きだったの！
　だから遊びじゃねーから安心しろ。
大事にすっから、ちゃんと。」

(◉_◉ｼﾞｰ)

「なんだよその目は！
　だから手出してねーし。」

「マジですか？！すげー。
　ムリかも、オレ。」

「無駄に歳とってねーの。」

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

「えみちゃん…本読んて。」

「その牛乳飲んだら読んであげる。
　飲まない子には読みませーん。」

「牛乳僕嫌い。お砂糖混ぜて。」

アレルギーじゃないから好き嫌い。
ジュースばかりじゃだめ。
　
「じゃあ、イチゴをつけてみよう♪」

持ってきたイチゴを牛乳につけた。

「美味しい？」

「うん。
牛乳さんの力で美味しくなるの。」

「ほんと？」

「牛乳さんには色んな力の素が入っていて、
空飛君がごっくんすると、背が伸びたり
　骨が強くなったり、他にも色々空飛君の体
の中でがんばって強くしてくれるの。」

「飲む！」

良かったあ、いちごありかとう。

「俺ももーらいっ。」

「あ、先生…」

けいたんが来てていちごをつまむ。

「空飛、絵美ちゃんを困らせちゃだめだぞ。
男は女を守ってあげないとダメだ。」

「ふーん。わかった。」

「ほんとかぁ？」

笑ってるとなぁ？ってこっちを見る。
いたずらっ子の笑顔。
ずっと見てるだけだったのに、今は彼になった。

「イチゴってうまいよな。
　オレめっちゃ好きなんだよね。」

「いちご狩り！
　いちご狩り行きたい！」

「お、いいねー、決まりだな。」

初デートはいちご狩り♪
甘くて酸っぱい恋の味。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

「絵美ちゃん、空飛の行き先決まった。」

「え？…わかりました。」

わかっていたこと。
今までもたくさんのそういう子を見送ってきたのに…

「情が移ると辛い…ちょっと遅かった？」

「ねーちゃん泣くなよ。
　空飛君が変に思うだろ？」

「わかってる！」

空飛君、強く生きて！
そしてこの大きなな空を自由に羽ばたいてほしい。
たくさん夢を持ってほしい。
頑張れ空飛君。

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