WILD DOCTORＳ

小児科 ページ1

「愛と勇気だけがとーもだっちさ
　ってアンパンマン淋しい奴だよな
　じゃあ食パンマンは何なんだ？」

「黒木様、お荷物をお預かりして
おります。」

コンシェルジュちゃん今日はこの子か。もう少し愛想がいいとな。

「こちらです。
お部屋までお届けしますか？」

「いや、持っていきます。
ありがと。」

ってか重いな結構…。
頼めばよかったかも。

エレベーターにに乗り込んで荷物を持ったまま、拳で最上階のボタンを押した。

「おふくろか…もういいって。」

やっぱり…この時期はマンゴー。
一人暮らしの男は食わねーの。
明日ナースステーション行きだな。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

「あ゛〜ん、痛いのやだぁ〜」
「まだお注射してないよ〜」

今日も泣き虫モンスターがいっぱいだ。

「先生おはようございます。
　今日は外来お願いします。」
「よろしく。じゃ最初の人。」

さぁ、やりますか。
モンスター達の診察。

「今日初診の先生誰？」
「大樹先生です。」
「こりゃ大変だ…。」

「おー、さくらちゃんどーだ？
　今日も可愛いの着てるなぁ。」

小児科はなり手が少ない。
同じ治療をしても、診療報酬は大人の
半分、個人病院はどんどんなくなる。
金がいらない奴なんていない。
子供達の命の為になんて理想論をふりかざす気はない、だけど…
だからいくら頼りなくても大樹は貴重な人材だ、それに熱意はある。

「先生、この患者さん…」

早速かよ…

「どうした？」
「このケガ…やばくないですか？」

カルテを見て頷いた

「一度診る、処置へ。」

虐待じゃねーか？
そういう子はたくさんいる。
救急も入るからこの病院はそういう時は児相へ報告する。
医者もストッパーのひとり。
最悪の事態を防ぎたい。

しかし、こんなかわいい子をどうして…
自分の子じゃなくてもかわいいだろ？
ほんと大人は汚い。
だから嫌いだ。

「ちょっとストップね、処置入る。
　大樹先生呼んで。」

こうして外来に遅れは出る。
先生サボってません。

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