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嫌だ、こんなのは ページ15

エアリナは話し続ける。
「だから、私も精霊の塔に行かなきゃダメ。梨々花、菜津、瑠衣以外に、真弓、和哉、勇斗、先生
には、何かしら言わないと、後で困る。だから、今呼んだ」
今すぐにでも精霊の塔に行かないといけない、という勢いのエアリナを止めた。
「そんなに急ぐ必要なんてないでしょ?」
私の声に、エアリナは悲しく首を横に振る。
「ダメ。わたしの、役目。守らないと」

私は、エアリナを止めたい。
瑠衣が持っていた絵本と同じ、妖精だとすれば。
エアリナは、私たちと一緒に暮らせない……。
もう二度と、会うことはできない。

菜津は、あまりにスケールが大きい話に、ただ茫然としている。
瑠衣は
「で、でもっ……」
と言った切り、黙り込んだ。


瑠衣も菜津も、わかってはいるんだ。
もちろん、私もわかっている。ここでエアリナを止めてはいけないと。
それでも、こんなのは認めたくない。
「エアリナ、『守らないと』って、何を?」
出来る限り、私はエアリナを刺激しないように慎重に聞く。
「わたし以外の生物」
それ以外に何があるのか、と言いたげな顔で答えるエアリナ。

私は、十四歳の少女が背負うには、あまりにも大きすぎる話に、何も言えなくなった。
「わたしが生きる道は、ちゃんと考えて決める」
そう言ったエアリナの顔は、キリッとしていて、どこか神聖さを感じさせた。



わかってるけどさ。
こんなの、絶対に嫌だよ、エアリナ。
私は、いや、私たちは親友だもん。
これまで、ずっと一緒にいたもの。エアリナの性格に、私たちは皆憧れてた。
だからお願い、どうか、時間をください。

自分の道だから→←予想通り



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桜雪☆(プロフ) - 奈月さん» コメントありがとうございます! (2018年6月10日 17時) (レス) id: 7ff7ae767b (このIDを非表示/違反報告)
奈月(プロフ) - エアリナの考えってすごい。素直にそう思いました。続きが楽しみです(*^^*) (2018年6月9日 14時) (レス) id: b8b2585ba0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:桜雪☆ | 作成日時:2017年11月5日 9時

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