勇者だなんて聞いてないっ！

一人目の仲間 ページ4

俺が肩を落としていると
「失礼。あなたはどこの人ですか？」
大きな盾を持った、多分俺より年上の男が聞いてきた。

「どこって？」
「どんなギルドを組んでいるのかなあ、と思いまして」
ギルド？ギルドってなんだ？
クエスチョンマークが頭に飛び交っている俺に
「ああ、冒険者たちのグループのことですよ」

男が丁寧に教えてくれる。
「ふうん。俺は新人勇者。でも、前まではお城の最弱の兵士と言われてた」
男は目を丸くして
「探していたんですよ。ボクはさっき、ギルドを解散させられまして」


どうやら、前まではそこそこに強いギルドに所属していたらしい。
しかし、リーダーと喧嘩し、そのままだという。
「ボクを仲間に入れてください」
ご丁寧に頭を下げる男。
「もちろん。……名前、なんていうんだ？俺はアレク」
「ボクはフェンリルと言います」


意外なことに、フェンリルは15歳だという。
どう見ても年上に見えたのだが、実は俺が年上だった。



「さて、次はどうします？」
フェンリルに言われ、俺は逆に問い返した。
「っていうか、どんな職業の人を入れればいいんだ？」

そうですね……と少し間を開けて
「回復してくれる役は必要ですね。一番なのは僧侶です」
「それじゃ、僧侶を探せばいいのか？」
フェンリルは頷く。
「でも、なかなかいないんですよ、僧侶」

それじゃあ意味ないじゃんかよ！

そういうもの？→←どうしろと……

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す