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暗号 ページ36

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「あら、Aさん!いらっしゃいませ!」


「梓さん!こんにちは」




とある平日の昼過ぎ。
ポアロ前の掃除をしていた梓は、明るくAに挨拶した。


今日が休みなのは、残業続きだったAへの後輩の(半強制的な)配慮で有給を使わせてもらったから。

朝が遅かったため、軽食とコーヒーを頂こうといつものようにポアロに寄ったのだ。




「…ん〜?」




ポアロの扉に手をかけようとすると、梓はAの顔をまじまじと見つめ始めた。




「な、なんですか…?」


「…Aさん、最近変わりましたよね?」


「え?」




梓さん曰く、近頃、会ったばかりの頃よりAの表情がかなり明るくなったそうだ。

たしかに、それは自分でも薄々分かっていた。


しかしそれは特別何かあった訳でもなく、コナンや蘭、阿笠博士や灰原、そして少年探偵団など、事件は引き寄せてしまうものの、賑やかな知人に囲まれているからで、自然に笑顔になることが増えていたのだ。




「…恋、ですね?」


「ま、まさかぁ…」


「え〜?」




最近たくさん知人ができたから、と恥ずかしくて言えるはずもなく。

Aは、梓の質問に言葉を濁した。




「にゃ〜」




すると、1匹の三毛猫がポアロの看板の前で鳴いた。

この猫は“大尉”と言って、この辺りを根城にしている野良猫だ。

よく夕方に餌を貰いにこの店の前に来ることから、名探偵ポアロの友人、ヘイスティングズ大尉が由来でこの名が付けられたのだ。

その様子はAも幾度か見ている。




「にゃぁ〜」


「相変わらず、Aさんにもよく懐いてますね!」




梓が、Aの足元に擦り寄る大尉を撫でている様子を見ながらミルクを置くと、大尉はそれを飲み始めた。

しかし、気になる点が1点。




「その紙、なんですか?」


「さぁ…大尉の首輪に挟まってたんですけど…」




梓が紙切れを開くと、それはタクシーのレシートのようだった。




「…!?」




Aはそのレシートの違和感に気がついた。




「梓さん!マスターが呼んでますよ!」




ポアロの扉が開いたと思えば、安室が梓を呼びに出てきた。




「Aさんも一緒でしたか!」


「え、ええ…こんにちは。」


「あ! 安室さんって探偵でしたよね?これ、なんだか分かります?」




梓は、先程のレシートを安室に見せようとした。

しかし、突風でそれは飛ばされてしまった。






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つむぎ(プロフ) - まゆさん» コメントありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2019年6月26日 20時) (レス) id: a3594e8b9c (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2019年6月26日 10時) (レス) id: 76d368eb20 (このIDを非表示/違反報告)
つむぎ(プロフ) - 月兎さん» ありがとうございます!まったり更新していくので、気長にお待ちください!! (2019年5月12日 10時) (レス) id: a3594e8b9c (このIDを非表示/違反報告)
月兎(プロフ) - 素晴らしすぎます…更新頑張ってください! (2019年5月11日 23時) (レス) id: 45fce474d9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:つむぎ | 作成日時:2019年4月18日 2時

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