【イナオリ】月の歌姫は世界に行く

夜の出来事 ページ21

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貴「どういう事？」

姉『そのままの意味よ、






一星 充はオリオンの使者』


選考会で仲良くしていたのだから、少女は信じたくないのだろう。


姉『そして、今から言うのは、私が調べた一星 充の過去。

かなり、残酷だけど…聞く勇気はある？』


少女は少しためらったが言った。



貴「うん、聞くよ。


一星君が辛い思いをしてるなら、助けてあげたい」


少女の顔は決意で塗り固められていた。

姉『ふふっ、Aらしいわね。

わかったわ。ちゃんと聞いていてね。』


少し間を置いて電話の向こうの相手は話は話し始めた。


姉『"一星 充”は本当の"一星 充"ではないの』


貴「どういう事？」


姉『一星君には弟がいたの。』



”弟”という単語に少女はビクッと反応した。


だが、それが電話の向こうの相手に伝わるわけもなく、相手は話している。

少女は落ち着いて、話を聞いた。

姉『一星家は平和だった…けど、その一星家に悲劇が起こった。









交通事故に合ったの』

貴「交通…事故…」


姉『えぇ、そこで一星君の父と母。そして…









一星 充が亡くなった。』




貴「えっ！？でも、一星君は今、ここに！」


姉『落ち着いて、A。


でも、弟の”一星 光”は無事だったの。

弟の光は、家族を失ったショックでなかなか立ち直れずにいた。

そして、兄の”一星 充”そのものになってしまった…』


貴「じゃあ、一星君は二重人格…」

姉『そういうこと。


そこに、オリオンは溶け込んだの。

病院では、”一星 光”合宿所では、”一星 充”として存在してる』



貴「そんな…」


姉『それで、Aには、一星君を救う手伝いをしてほしいの。』


貴「手伝い？」


姉『ん。一星君がオリオンに従って、どんな酷い事をしても仲間として見てほしい。


まぁ、Aなら言われなくてもすると思うけどね』


貴「もちろんだよ！それと、このこと皆には…」

姉『えぇ、伝えないで頂戴。』

貴「うん！分かった。じゃあね！おやすみなさい。」

姉『じゃあね、大好きよA。おやすみ』


少女はスマホの電源を切って。ベッドで寝た。









夜を照らす月だけが彼女達の会話を聞いていた…。

朝→←本音

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