かけがえのある世界。【灼熱カバディ】 (ページ3)

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「今日は初体験の奴もいるから基本からやるぞ」

「うす！！」

3人が並んでるのに対し、宵越くんはマットを弄っている。

「こんなマット敷くほど激しいのか？なにやらオフィシャルもあるが…そもそもカバディって
どんなスポーツなんだ…？」

その言葉に3人は反応し宵越くんに近付いた。

「熱いスポーツだべ！！」

「カックイイスポーツかな」

「筋肉のぶつかり合い」

「よ…よくわからんが寄るな！！」

そんな宵越くんの肩に井浦がトッ…と触る。

「簡単に言うとカバディは…『鬼ごっこ』だよ。
2つのチームがコート内でタッチを狙いあうスポーツなんだ」

「鬼ごっこだぁ…？」

「そう。ホラお前ら、試しに勝負してみて！」

畦道くん、水澄くんは、はーい！！と返事をし
伊達くんも首を縦に振る。

「カバディには攻撃と守備があってね…『ターン制』でハッキリ攻守が分かれてるんだよ。

攻撃が鬼ごっこで言うと『鬼』。
1人で敵をタッチしに行く」

「攻めさしてもらいます！」

攻撃の畦道くんが手を上げてそう宣言をした。

「守備は複数人いてタッチされないよう鬼から逃げる立場だ。

逃げ場はこのコートの半分。
中央線でそれぞれの陣地に分かれてるんだ」

「ハーフコートでやる鬼ごっこって事か？
この狭さじゃ逃げ続けんの無理だろ。鬼に縛りとかがあんのか？」

私は畦道くんたちの方を見ながら、井浦たちの会話に耳を傾ける。

「察しがいいね。縛りはある。攻撃手が中央線を割って敵を終える時間は…」

井浦がそう言い終えると同時に畦道くんは陣地に踏み入った。

「息継ぎなしで「カバディ」と言っていられる間だけなんだ」

畦道くんは相手の陣地に踏み入った。