33話 この気持ちが恋じゃないなら ページ35
追ってくる様子もないので、私と風丸くんは、ゆっくりと足を止めた。
「ハァハァ……」
息を切らす風丸くんを見ながら、私も呼吸を整える。
風丸くんの顔は、ところどころ切れて血が滲んでいる。
口の端も切れてるし、頬も青アザができている。
痛そう……
その傷をつけたのは、私も同然だよね…
私は、風丸くんの頬に手を伸ばす。
「……痛い?」
「これくらい、全然大丈夫だよ。これが雪村の顔についてたら俺、心が痛いけどな」
そう言って痛々しい頬を歪めて笑う風丸くん。
「…かっこつけないでよ………バカ…」
無理して笑ってるのも、私を安心させるためだってことが伝わってくる。
こんな時まで人のこと考えて、ほんとにバカだよ…
私は俯いて、堪えきれずに流れる涙を隠す。
「…髪………」
風丸くんは私が泣いてることに気づいているのか、気づいていないのか、悲しそうな声でそう呟いて、私の髪に手を伸ばした。
「ごめん。守ってあげられなくて」
「何で、風丸くんが謝るの」そう言いたくても、口から漏れるのは嗚咽ばかりだった。
だから、そう言う代わりに、首を二、三回横に振った。
「…………雪村、キスしてもいいか?」
風丸くんが、そう言って私の頬に手を添えて、親指で涙を拭った。
……………………。
「あの、そのセリフで全て諸々台無しなんだけど」
「セリフとか言うな。NGワードだそれ」
私は、風丸くんのことを見つめる。
「いいか?」
「どうせするなら……聞かないでよ…」
そう言った瞬間、風丸くんからキスの雨が降ってくる。
「んっ……ぁ…」
「ん……」
お互いに腕を首や腰に回す。
「かぜ……ま、る…くん…」
「A………」
風丸くんが名前を呼ぶたびに、心臓が大きく跳ねる。
この気持ちが恋じゃないなら、この世界にきっと恋なんて存在しない。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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神崎 奏(プロフ) - yuriさん» ありがとうございます!とっても嬉しいです!! (2018年12月3日 15時) (レス) id: 3c3fe50db5 (このIDを非表示/違反報告)
yuri - 面白かったです!応援してます!! (2018年12月3日 0時) (レス) id: cbe69faa9b (このIDを非表示/違反報告)
神崎 奏(プロフ) - アレスさん» ありがとうございます!更新頑張ります!!少しでも楽しんでいただけるように頑張ります! (2018年11月2日 21時) (レス) id: 3c3fe50db5 (このIDを非表示/違反報告)
アレス - とても面白いです!更新頑張ってください! (2018年10月30日 23時) (レス) id: 73833a43c9 (このIDを非表示/違反報告)
神崎 奏(プロフ) - いさきさん» コメントありがとうございます!そう言ってもらえるとすごく嬉しいです!これからも頑張ります! (2018年10月24日 23時) (レス) id: 906f3d7dcd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神崎 奏 | 作成日時:2018年7月23日 0時