開き直り9度「人の声が恋しい」 ページ11
電車一本逃しちゃったので次の電車が来るまで駅のホームでスマホでりっすんとぅーみゅーじっく。
片耳イヤホンなんだけど音質が最高、これ。
聴きながら辺りを見回す。
そういえば何故だか人がいない。
プチ田舎でも住宅街とかモールもあるのに。
…駅員さんさえ…いない。
A:え、こわ…
電車が来る時の合図の曲アナウンスが流れる。
アナウンスが人の声、という安心感と、その規則正しい文の読み方に若干の不安。
電車が来て乗り込む、やはり人がいない。おかしい。この時間なら会社勤めの人の一般定時を過ぎているのでむしろ人が多いはず。
A:…日本人真面目だもんね。みんな残業してるんだって考えよう、うん。←
むしろ座れてラッキーって考え、椅子に腰掛ける。
ふと、駅の改札口の方を見ると、
いかにも危なそうで禍々しく泥々した黒い物体がこっちにすごい速さで向かってきた。
A:！？？…げ…幻覚…幻覚幻覚…何も見えてない…
目を背け、もっかい見るとやはりこちらに来ている
思わず立ち上がって逃げようとした時、扉の目の前まで黒い影が迫ってきた、その時
扉が閉まった。
電車が動き出し、電車内に入ってこないことを確認しぺたりとその場に崩れた。
…そしてすぐ持ち直し椅子に座る。
A:…幻覚。……今はボカロでいいや…。
曲を流し落ち着かせる。
自分の降りる駅まであと7分くらい。
三曲くらい聞いていれば着くだろう。
A:…
そういえば最近視力が…いやなんでも無い、気のせいだ。
この前の検査でもAだったし疲れてるだけだろ。
〜〜〜〜
男の人と女の子が歩いてる図だった
男の人は何故だか浮いていて、とても現世のものとは言い難い容姿だった。
男の人と女の子が戯れている図だった。
その周りにはまたこの世のものとは思えないものが沢山いた。
男の人の前で女の子が泣いている図だった。
なにかを訴えているようだった。
男の人は女の子に何かを言うと悲しそうな顔をし、女の子の頭を撫で、
何か言った後、女の子の目に目薬のように何か液体を入れた。
〜〜〜〜
次はー○○ー○○ー
そのアナウンスではっとした。
ボーッとしていたらしく、もう自分が降りる駅だった。
立ち上がって降りる準備をしようとした時
足元からコロ…と何かが当たり転がる音。
何かと思い転がっていく物体を掴んで見てみる。
ビー玉だった。
そして電車が目的地に到着した。
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作者名：桜蘭 | 作成日時：2019年8月5日 14時
