【鬼滅の刃】今世では教師に溺愛されてるんだが【宇髄天元】

『それがどうしたの？』 ページ34

家に帰り夕飯やお風呂、課題を済ませた後、私はベッドに寝転んだ。

その手には、今日宇髄先生と撮ったプリクラ。


正直、自分がキスされている写真を見るのはあまりいい気分ではない。

しかし、これもあの人との大切な思い出の一部。


流石に何処かに貼ったりは出来ないので、

私は腕を伸ばして机の引き出しを開け、その中にしまった。


最近、一日が終わるのがとても早く感じる。

楽しい時間というものは、本当に一瞬だ。





「明日は朝六時に職員玄関前の駐車場に集合。来た人から担任に報告を...」



自主プランの計画を立てる日々が続き、とうとう明日は合宿だ。

みんな楽しみだからか、普段長い話に眠そうにしている人も、

今は期待に胸を踊らせてコソコソと友達と話している。


一日目はレクリエーション、夜は肝試し。

二日目の朝は自由時間で、お昼は合宿所のキャンプ場でカレー作り。

この中でみんなが一番楽しみにしているのは、やはり肝試しだろう。




長い説明が終わり、明日の準備のために今日はこれで解散だった。

宇髄先生はまだ午後の授業が残っているので、久しぶりに炭治郎くん達と帰ることに。

話題は勿論、明日の合宿の事で。



「ねぇ、知ってる？」



二列になって歩いていると、私の隣を歩いていた善逸くんがスッと真面目な表情になった。

それに釣られ、前を歩いていた炭治郎くんと伊之助くんもこちらを振り返る。



「風紀委員の先輩から聞いた話なんだけど、一年の合宿にはあるジンクスがあるんだって」


「ジンクス？」



ジンクスというのは、所謂言い伝えだ。

私達が通っているキメツ学園も、体育祭や文化祭など、いくつかのジンクスがあるらしい。



「今日帰りに、ブレスレット貰ったじゃん？」



そう言うと、善逸くんはポケットから黄色のブレスレットを取り出した。

夏祭りなどにある光るブレスレットで、肝試しの時に着けるようにと言われたものだ。

因みにカラーバリエーションは赤、青、黄、緑、紫、ピンクの六種類。

炭治郎くんは赤、伊之助くんは青、私は紫である。



『それがどうかしたの？』


「それを好きな人と交換すると、恋が叶うんだって！」


「へぇ、そんなジンクスがあるのか」



私はまじまじと自分のブレスレットを見つめる。

...ジンクスを信じているわけではないけれど、

先生達はブレスレットを着けるのだろうか。

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