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『ごめん、今日は一緒に食べられなさそう』 ページ24

「あー、あー。一年筍組蘭A、今すぐ美術室来いよー」



そんな気だるげな放送がかかったある日の昼休み。

丁度中庭で炭治郎くん達とお弁当を開こうとしていた私は、その放送で手を止めた。



「呼ばれてるぞ?」


『多分次の授業の準備の手伝いだわ...ごめん、今日は一緒に食べられなさそう』


「ダメダメダメダメ!!あんな奴と二人きりとか、

 Aちゃんの身に何かあったらどうするのぉぉぉ!?」


「善逸の事は放っておいて大丈夫だぞ。また明日一緒に食べよう」



「行っちゃダメェェェ!」と私に縋り付かんとばかりに叫ぶ善逸くんを、

炭治郎くんが流石の長男力で鎮圧する。

私は三人に『ありがとう』と伝え、美術室に向かった。





「ねぇウズセーン」



私が美術室のドアを開けようとすると、

僅かに開いていた隙間からそんな声が聞こえてきた。

そっと窓から覗くと、宇髄先生の前に数人の女子生徒がたむろっている。

制服の着崩し方からして、多分三年生だ。


女子生徒達が楽しそうに話しかけたにも関わらず、

宇髄先生は「んー」と生半可な返事を返すだけ。

それでも、女子生徒達は話すのをやめない。



「ウチらあと一年したら卒業じゃん?

 そしたらもう教師と生徒なんて堅苦しい関係じゃなくなるしさ、

 ウチらの誰かと付き合わない?」


「ハァ?」


「いーじゃん、ウズセン今彼女いないんでしょ?」



「だから付き合おうよ」と、女子生徒達は宇髄先生に迫る。



「やだね。生徒も元生徒も一緒だし、俺の恋愛対象には入ってねぇの。

 それに、お前らさっきの放送聞いたろ?

 そろそろ次授業のクラスの芸術委員が来るから、さっさと教室戻れ」


「えー」


「何で駄目なの?私なら確実にウズセンのこと落とせるよ」


「ちょっと、抜け駆けズルイー」



促しても帰ろうとしない女子生徒達。

実際、私もあの空間に入りづらく、ドアの前に立ち尽くしたままだ。

すると、宇髄先生は大きな溜息をつき、静かに言い放った。



「俺、彼女いるけど」



ドクンと、自分の心臓が大きく波打った。

『お話中だったようなので、終わるまで待っていただけですよ』→←『...一体何企んでるんです?』



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桜餅(プロフ) - みたらしさん» ありがとうございます!明日は部活休みなので、続編の方も多めに更新出来るよう頑張ります! (2020年7月6日 23時) (レス) id: 03f4026521 (このIDを非表示/違反報告)
ハル時々はるる(プロフ) - わぁぁぁ続編楽しみに待ってます!私も部活やらおまけに受験もあって忙しいですがお互い頑張りましょう!応援してます!! (2020年7月5日 0時) (レス) id: 1867b93bcb (このIDを非表示/違反報告)
みたらし - 続編楽しみです!部活とか大変だと思いますけど応援してますね〜 (2020年7月4日 22時) (レス) id: 2fd201009b (このIDを非表示/違反報告)
桜餅(プロフ) - ぽんちゃんさん» 大丈夫...だと思いますw夢主さんも宇髄さんも気配とか音で分かりそうなので! (2020年6月29日 19時) (レス) id: 03f4026521 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんちゃん(プロフ) - ブレスの交換を他の女子に見られてないよね?大丈夫 (2020年6月28日 5時) (レス) id: e2382ac4cf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:イリア x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.pnp/sakuramoti  
作成日時:2020年6月2日 23時

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