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玖拾 ページ15

「紹介するよ。二つ前の任務で一緒になった、同期の我妻善逸だ」


「はじめましてぇ〜」



自分のベットの隣に立つAに頬を緩ませる我妻。

竈門はそんな彼に冷たい目を向けるが、Aは気にすることなく自己紹介した。



『私は光柱の輝峯A。炭治郎は私の母と同じ育手の元で修業していたから、

 その人のところへ訪れた時に知り合ったのよ。よろしくね』


「よろしくぅ〜!...って光柱ぁ!?」



デレデレとしていた我妻も、Aが柱だと知って目を丸くした。



「す、すいませんでした!!」


『いいのよ、よくある事だから。あと私の方が年下だから、敬語もいらない』


「え...あの、つかぬ事をお聞きしますが、歳はおいくつで...?」


「Aは十四だぞ。善逸の二つ下だ」



"二つ下"と言われ、善逸は驚きで声も出ないようだ。

二つ上で、しかも男である自分とさほど身長が変わらず、

十四とは思えない程整った顔立ちであるA。

むしろ初対面で十四だと分かる人の方が少ない。



「十四でしかもこんな可愛いのに柱なの?嘘過ぎじゃない?」


『別に可笑しい事じゃないわ。私と同い年で刀を握って二ヶ月で柱になった人もいるし、

 胡蝶殿だって、柱とは思えないほど美しい人でしょう?』



すると、不意に我妻の羽織がAの視界に入った。

黄色と橙色の生地に、白い三角模様の羽織。

Aはその羽織の柄に見覚えがあった。

父、光秀が自分の師範からの贈り物だと言ってよく着ていた羽織と同じ。



『...貴方の育手って、桑島慈悟郎さん?』


「え?うん。女に騙されて背負わされた借金を、じいちゃんが肩代わりしてくれて...」


『私の父の育手もその人なのよ』


「嘘ぉ!?」



彼らが思う以上に、世間は狭いようだ。

二人とも両親と同じ育手の元で修業していたとは、誰も予想だにしなかっただろう。



「そういえば、伊之助は?」


「あいつならまた裏山に遊びに行ってるよ」



急に出て来た名前にAが首を傾げていると、

後ろにあった病室の戸がバンッ!と大きな音を立てて開かれた。


驚いて後ろを振り返ったAの目に飛び込んで来たのは、

猪の被り物を被った異質な少年だった。


―――――――――――――――――――――――――――――

久しぶりの大正コソコソ噂話


光秀の育手は善逸と同じ桑島さん。

実は生まれたばかりの頃に会っているのですが、Aは覚えていないようです。

玖拾壱→←捌拾玖



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桜餅(プロフ) - 織葉さん» ありがとうこざいます!作るの遅くなって申し訳ありません... (2020年2月16日 11時) (レス) id: 03f4026521 (このIDを非表示/違反報告)
織葉(プロフ) - 続編おめでとうございます!これからも頑張ってください。応援しています!! (2020年2月15日 22時) (レス) id: f370ea2008 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:イリア x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.pnp/sakuramoti  
作成日時:2020年2月15日 22時

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