episode20 ページ22
Aside
仕事が終わって、今は帰ってる途中。もうちょっとで家に着く。角を曲がると、またあの白いコートの女の子がいた。しかもなんか叫んでる。
やばい、真冬くんがまた倒れてるかも！
｢ーーーー！ーーーー！ーーーーーーーーーいの！？｣
ドア叩いてるし。今警察に連絡したら不法侵入で逮捕できるかな？いちおう敷地内には入ってるし、
と思ったらお隣の柳さんが出てきて
｢うるさいわよ！！近所迷惑というものを考えなさい、この小娘！｣
と一喝した。そのタイミングでちょうど家の前にたどり着き、
｢まーた来たんですか。ここにはあなたの探してる人はいませんよ。帰ってください｣
と白いコートの女の子を睨みつけながら言う。
｢だってここに…｣
と言い訳しようとする。柳さんもイラッとしたらしく、
｢言い訳無用！帰んなきゃ警察を呼ぶわよ｣
と食い気味に言ってくれた。
警察と言うワードが効いたのか、ぐっと言葉に詰まった後、
｢覚えてなさいよ…！｣
と捨て台詞を吐き、怒りに満ちた形相で女の子は帰って行った。
｢神代さんも大変ね、次アイツが来たら追い払うことにするわ｣
と柳さんが言ってくれたので、
｢ありがとうございます｣
と手短にお礼を言って、急いで鍵を開けて家に入る。
｢真冬くん！大丈夫？｣
叫びながら靴を脱ぎ散らかし、鞄をその辺に放り出して、玄関とリビングをつなぐドアを開ける。
真冬くんは倒れてはいなかったが、縮こまって耳を塞ぎ、ガタガタと震えていた。
真冬くんと呼びかけながらそっと肩に手を置くと、彼はビクリ、とした後おそるおそる、といったように振り向き、私を見てほっとした顔をした。
｢ああ、Aちゃん、おかえり…｣
と微笑む顔は青ざめて、ぐったりとしている。
｢大丈夫、アイツもう帰ったから｣
と思わず彼の頭を撫でながら言うと、真冬くんは私に体を預け、うつむいてしまう。
｢アイツが、また来て、ドアをドンドン叩きながら僕のことを呼んで、それがすぐ止んだけど、また来たのかって怖くて、Aちゃん早く帰ってきて、って思って｣
カタカタと震える体。どれほど怖かっただろうか。
｢ごめんね｣
とそういえば
｢…いいよ｣
と返ってきた。私はほっとして
｢じゃあご飯作るね｣
と言った。日常のことをすることで、真冬くんがあの女の子のことを考えなくて済むように。
歌い手さん秘蔵映像
｢タッピオカータッピオカー｣ルンルン96猫さん
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櫻子(プロフ) - haru2022さん» ありがとうございます！続編作ります！ (2020年3月12日 7時) (
レス) id: 4de55d417a (このIDを非表示/違反報告)
櫻子(プロフ) - 彩華 ぴあのさん» 続編作ります！読んで頂きありがとうございます！ (2020年3月12日 7時) (レス) id: 4de55d417a (このIDを非表示/違反報告)
櫻子(プロフ) - あゃり。さん» ありがとうございます！ドキドキできる展開になっているか不安だったんですが、そうなっていたようで良かったです！続編作ります！ (2020年3月12日 7時) (レス) id: 4de55d417a (このIDを非表示/違反報告)
櫻子(プロフ) - CIEL☆さん» ありがとうございます！楽しんで頂けて嬉しいです！続編作りますね！ (2020年3月12日 7時) (レス) id: 4de55d417a (このIDを非表示/違反報告)
haru2022(プロフ) - とても面白かったので、ぜひ作ってもらいたいです！ (2020年3月12日 7時) (レス) id: e5a455a51b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫻子 | 作者ホームページ：http://mmm:wako
作成日時：2019年12月28日 18時
