どうしよう、これ【歌い手】

episode10 ページ12

Aside

｢はあ、お風呂洗お｣
お風呂を洗っている時に、思った。

(交番の近くであっちが声かけてくれれば現行犯で捕まるじゃん。怒ってくれてれば、なお良しじゃん。傷害未遂に問うこととかも出来るかも)

そうなると、買い物に行くルートは少し裏道を使ったほうがいい。

｢交番の裏道は…｣

頭の中の地図を広げてどの道を通るか決めた。

お風呂を沸かし、いったん相川さんの様子を見に行く。ノックをして

｢相川さん、入りますよ｣

相川さんが起きていたので、ストーカーをおびき寄せる計画のことを話した。まあ、計画とも言えないが…

｢……というわけで、来週の月曜日に決行しようかと思っているのですが…どうですか？｣

相川さんが嫌なら別の方法を考えなくちゃいけない。

｢…いい、と思います｣

と相川さんが言ったので

｢じゃあそうしましょうか｣

と言って立つ。

｢私、隣の奥さんにカステラ届けてきますので。鍵掛けていきます。インターホンが鳴っても出なくていいですからね｣

と声をかけて出ようとしたところ、

｢あの｣

と遠慮がちに声をかけられ、振り向く。

｢アイツは誰かが僕と仲良くしてると怒るのでアイツをおびき寄せて怒らせるんだったら、下の名前でお互いに呼んで、敬語無しにしませんか？｣

なるほど、それはいい考えかも知れない。

｢では、そうしましょう…じゃない、そうしよっか、真冬さん｣

｢…呼び捨てする方が仲良く見えると思うんですけど…｣

｢…それはさすがに恥ずかしいので君付けで勘弁してください…｣

｢えっと、じゃあ僕はちゃん付けにしたらいいのかな…Aちゃん｣

と首をコテっと傾げて言う相川さん…じゃなかった、真冬くん。

この人はもう少し自分がイケメンだというのを自覚するべきだ。…自覚してるからやってるのか？

｢えっと、じゃあ互いに君付け、ちゃん付け、敬語無しと言うことで｣

なんかこれだけじゃあんまりだな。

｢…頑張ろうね、真冬くん｣

振り返って微笑み、そう言って部屋を出た。

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歌い手さん秘蔵映像

｢タッピオカータッピオカー｣ルンルン96猫さん

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