131. あゝ、アラバスタ！ (1つの水 4) ページ36
なんで、ゾロは少し得意げにニヤついているんだろう？
だいたい、顔が赤くなってしまったのは誰のせいだと思ってるんだ！ 男の人がすぐ真隣で寝ようとしていて、慌てない女子などこの世の中にいるのか？
あ、まあ、きっといるよね。
でも私は断じてそんな余裕のある大人の女性には、現時点ではなれそうにない。
とどのつまりーー
「……もう、知らない！」
ーーゾロに対してあまりにも幼稚な言葉しか返せない。という事だ。
プイっと、ゾロと合っていた目を逸らすように、体を反転させる。
「プッ……ガキかよ」
背中から聞こえてきたのは、くぐもるような彼の笑い声。
「ガキかよ」と、いう言葉に全く否定を出来る状況ではないのだが、何も言わないのもなぁ〜。なんて、変に引けない思いから顔だけをゾロの居る方へと振り向けて見れば、珍しいくらいに楽しげに笑っているゾロの顔が目に入った。
「クククッ……悪りぃ。からかいすぎた」
耐えようとしているのに、耐え切れないのか笑いが後から後から出てくるのか、笑みが口角に浮かんでいる。
何に対してゾロはそんなにも面白いと感じているのか私にはよく分からなかったが、目の前で楽しげに笑う彼を見ていると、自分自身もその笑いにつられるように穏やかな気持ちになり、頬が緩んできてしまう。
ゾロはそんな私の笑みに気がついたのか、1度、私の髪をくしゃりと撫でた。
「とりあえず、あいつらのバカ騒ぎのせいでおれの寝る場所がねぇ。だからお前の場所、半分貸せ！」
「そういうの横暴っていうんだよ。知ってる？」
「知らねェなぁ〜」
あ、今度はいつものにやりとした笑いだ。
ゾロと話しているうちにさっきまでの恥ずかしさの焦りが何処かへと飛んでいき、結局ゾロに寝場所への侵入を許してしまっていた。
ゾロに向けていた背は今は天井の方へと向いている。
つまり、うつ伏せの姿勢へと変化したわけだ。
その体勢のまま、胸から上を少しだけ上げ、頬杖をつきながらゾロとのなんてことのない会話を繰り広げていく。
たわいもない会話ほど案外楽しかったりするものだ。
お互いによく笑った気がする。
……サンジが投げた枕が、こちらに飛んでくるまでは！
「テメェ！ クソマリモ‼ さっさと、Aちゃんの側から離れろや‼」
「あ"？ オメェには関係ねェ〜だろうが！」
あー、始まってしまった。
安息の地もここまでだな。
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奏(Kanade)(プロフ) - アリスさん» ありがとうございます！よろしくお願いします^ ^ (2021年5月2日 18時) (
レス) id: 9dfcc2ee40 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 返信ありがとうございます！また更新してくださって嬉しいです！これからも応援しております。 (2021年5月1日 18時) (レス) id: 7e246103d6 (このIDを非表示/違反報告)
奏(Kanade)(プロフ) - アリスさん» 初めまして！コメントの返信が遅くなってすみません。連載この連休で少し進める予定です。アリスさんにこの連載を好きと言っていただけて、すごく嬉しいです！頑張る気力が湧いてきました笑(^^) (2021年4月29日 14時) (レス) id: 9dfcc2ee40 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 奏さん初めまして！いつもこの作品を楽しく拝見させていただいております。この作品はもう更新しないのでしょうか？私はこの作品が凄い好きなので、良ければまた更新再開して欲しいです！ご検討よろしくお願い致します。 (2021年4月6日 18時) (レス) id: d582cbc40a (このIDを非表示/違反報告)
夏蜜柑炭酸(プロフ) - 夢主愛され最高ですよね！！ お悩み中なのですね！救済していただけると私はすごく嬉しいですが死んだとしても奏様のこの作品大好きです！これからも応援してます！ (2021年1月16日 18時) (レス) id: 72cb3f7599 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：奏 | 作成日時：2019年9月25日 19時
