122. あゝ、アラバスタ！ (追悼のシンフォニエッタ) ページ27
まいった。
ルフィ達とはぐれてしまった。
広い砂漠を見渡しても……
見えるのは砂と砂丘。そしていくつかのサボテンだけ。
ルフィは勿論のこと、誰の姿も見えない。
そんな状況でもあまり心細くならないのはたぶん、彼が隣にいるから。
「あいつら……何処に行っちまったんだ？」
「……見当たらないね〜」
「まさか、はぐれちまうとはなぁー。A、大丈夫か？」
「うん！ エースがいるから平気」
そう。
エースが一緒に居る。これはかなり心強い。もし私1人ではぐれていたら、この広い砂漠のど真ん中で途方にくれていただろう。
そう考えながら再度エースを見てニコニコと頬を緩めていれば、エースは何故か面食らったような顔をした後、困ったように頭をかく仕草を見せた。
「いやっ……なんつーか、ほんとっ……急にぶっこんでくるよな……」
「ん？ エース、なに言ってるの？」
エースの態度にわずかな疑問が残ったが、とりあえずは先に進まなければ！その思いの方が勝ったので、それ以上深く詮索はしない事にした。
「さあ、エース！ 早くナミ達と合流しなきゃ。行こう」
エースの方に手を差し伸ばし、笑みを向ければ彼も溢すような笑い声を発した後、「おう」と気合でも入れ直すようにトレードマークであろうテンガロンハットを被り直し、広大な砂漠の海に足跡を1つ、また1つと刻んだ。
「……可愛いすぎんだよ」
エースが何か小さな言葉を落としていったが、ちょうど小さな砂嵐の舞に目を閉じてしまい、その声をはっきり聞き取ることは出来なかった。
いま、彼は何を言っていたんだろう？
気にはなったが聞き返すほどでもないように思えた。
そうして2人で歩き続けていくばくかーー
地平線すら定まらないようなこの砂漠の広がり、先の先を見ても果てがない。
当然、ナミ達とすぐに合流できるわけもなく夜を迎えることとなった。
昼の暑さとは打って変わり、砂漠の夜はとても冷えこんでいる。
日中は赤色と言ったほうが近い砂が、今は本来の色を取り戻したかのように白くキラキラと輝いていた。
「寒くねェ〜か？」
「うん。エースが火をおこしてくれたから暖ったかいよ」
「まあ、それがおれの能力だからな。訳ないさ」
愛嬌よく笑うエースを見ているうちに、私の胸につかえている思いを話す時ではないのか？ そんな考えが浮かんでくる。
エースと2人きりの今だからこそ
聞かなくてはーー
「ねえ？ エース……」
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奏(Kanade)(プロフ) - アリスさん» ありがとうございます！よろしくお願いします^ ^ (2021年5月2日 18時) (
レス) id: 9dfcc2ee40 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 返信ありがとうございます！また更新してくださって嬉しいです！これからも応援しております。 (2021年5月1日 18時) (レス) id: 7e246103d6 (このIDを非表示/違反報告)
奏(Kanade)(プロフ) - アリスさん» 初めまして！コメントの返信が遅くなってすみません。連載この連休で少し進める予定です。アリスさんにこの連載を好きと言っていただけて、すごく嬉しいです！頑張る気力が湧いてきました笑(^^) (2021年4月29日 14時) (レス) id: 9dfcc2ee40 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 奏さん初めまして！いつもこの作品を楽しく拝見させていただいております。この作品はもう更新しないのでしょうか？私はこの作品が凄い好きなので、良ければまた更新再開して欲しいです！ご検討よろしくお願い致します。 (2021年4月6日 18時) (レス) id: d582cbc40a (このIDを非表示/違反報告)
夏蜜柑炭酸(プロフ) - 夢主愛され最高ですよね！！ お悩み中なのですね！救済していただけると私はすごく嬉しいですが死んだとしても奏様のこの作品大好きです！これからも応援してます！ (2021年1月16日 18時) (レス) id: 72cb3f7599 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：奏 | 作成日時：2019年9月25日 19時
