121.あゝ、アラバスタ！ (砂漠の不思議 6) ページ26
辺りに良い匂いが漂ってくる。
退治されたトカゲをサンジが焼いてくれているのだ。
「うはっ！ 見ろよ。天然のフライパンだぜ、ここらの岩は‼」
あれだけ美味しくなさそうなトカゲさんも、こうお肉へと形を変化させられたのをみると悪くないと思えてくる。
不思議なものだ。
たんにサンジの腕が良いからだろうか？
「おい、Aは食べねェ〜のか？ スゲェ、美味いぞ‼」
「ありがとう。チョッパー、でも私は大丈夫。代わりにたくさん食べて」
「……力、でなくなるぞ？」
美味しそうだと言っても、実際に食べられるかは別問題。
とりあえずは、私が密かに携帯してた非常食もあるので、それを見せて「これ食べちゃうから」と笑顔を向ければ、渋々といった様子だが納得してくれた。
同じようにトカゲを食していない、ビビやナミにも分けてくるとしよう。
立ち上がり、ナミ達の元に行けば「助かるわ」と嬉しそうな笑顔を向けてくれた。
そんな穏やかな休憩時間を過ごしていると、さっきルフィと一緒に走っていたラクダを囲んでギャーギャーともめている声が聞こえてきた。
「なに、やってるんだろうね？」
「さあ？」
「たく、あいつらはー！」
ナミが呆れたような顔でラクダの元へと近づき、彼らの喧騒を止める。
「ごめんね。うちの盗賊たちが酷いことして。いいコじゃない♡ きみ、なんて呼んだらいい？」
ナミがラクダくんの側で喉をゴロゴロと撫でれば、目をハートにしてとても喜んでいた。どうやらナミの事を気に入ったらしい。
名前も「マツゲ」と命名され、ナミとビビが無事に、ラクダくんもといマツゲくんに乗せてもらえる事ができた。
「Aも乗れそうよ。3にんくらいなら大丈夫よね？ マツゲ」
と、言ってくれたが、私は比較的体力はある方だ。ここは遠慮させてもらおう。
「大丈夫よ！ まだ、元気だし。もし疲れたらお願いするね」
「そう？」
少し不服そうだが、3人無理して乗ってマツゲ君が疲れたら元も子もない。と説き伏せれば、納得してくれた。
「これで少しは早く“ユバ”へ着けそう。
それ行けっ！ マツゲッ‼」
ナミの言葉に「ヴォ」と返事をするかのようにマツゲ君は声を出し、勢いよく駆け出す。
「ちょっと待てーー‼」
みんなを待つ訳でもなく動き出したラクダに向かって、大きな声で叫びながら追いかける彼らの姿に苦笑いを向けながら、私も後を追いかけるため走りだすのだった。
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奏(Kanade)(プロフ) - アリスさん» ありがとうございます！よろしくお願いします^ ^ (2021年5月2日 18時) (
レス) id: 9dfcc2ee40 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 返信ありがとうございます！また更新してくださって嬉しいです！これからも応援しております。 (2021年5月1日 18時) (レス) id: 7e246103d6 (このIDを非表示/違反報告)
奏(Kanade)(プロフ) - アリスさん» 初めまして！コメントの返信が遅くなってすみません。連載この連休で少し進める予定です。アリスさんにこの連載を好きと言っていただけて、すごく嬉しいです！頑張る気力が湧いてきました笑(^^) (2021年4月29日 14時) (レス) id: 9dfcc2ee40 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 奏さん初めまして！いつもこの作品を楽しく拝見させていただいております。この作品はもう更新しないのでしょうか？私はこの作品が凄い好きなので、良ければまた更新再開して欲しいです！ご検討よろしくお願い致します。 (2021年4月6日 18時) (レス) id: d582cbc40a (このIDを非表示/違反報告)
夏蜜柑炭酸(プロフ) - 夢主愛され最高ですよね！！ お悩み中なのですね！救済していただけると私はすごく嬉しいですが死んだとしても奏様のこの作品大好きです！これからも応援してます！ (2021年1月16日 18時) (レス) id: 72cb3f7599 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：奏 | 作成日時：2019年9月25日 19時
