110.あゝ、アラバスタ！ (国の悲哀 3) ページ15
「「ダンスパウダーが……⁉」」
私とナミの声が重なる。
「なんだ。お前ら知ってんのか？」
「……別名は“雨を呼ぶ粉”」
ナミの言葉に不思議そうな顔をするルフィ。
「ある科学者が人為的に雨を降らせる為に作らせた粉なのよ。ただ……本来雨は自然に蒸発した水蒸気を含んで雨雲が出来るのを待つんだけど、それを無理やり成長させるものだから……他の地域に出来るはずだった雨雲を奪ってしまうことになるの」
「ん？ Aが言ってることが本当なら、他の地域に雨が降らなくなるってことか？」
「そう！ ウソップの言う通り。だから、世界政府は“ダンスパウダー”の製造も所持も世界的に禁止してるの」
私たちの説明に黙ったまま頷くビビ。
「もちろん、父には全く身に覚えのない事だったけど……同じ頃、宮殿内でも大量のダンスパウダーが運びこまれていた」
ーー随分の用意周到ね。
国王を陥れるためとはいえ、あまりにも徹底されているわ。
クロコダイル……相手はかなりの切れ者ね。
「……今思えば、その時すでにクロコダイルの壮大な計画は始まっていたの」
待ち続けても雨は降らない。
水はなく、乾いていくばかり。
信頼していたはずの国王の裏切りにより、疲れきった国民による反乱までもが起きてしまった。
そういう訳ね。
ーーなんて、残酷なの……。
改めて町を見渡そうとした時、風が私たちの間を通りすぎる。
それと同時に聞こえてきた呻くような声。
「なんだ？」
「反乱軍か？」
急に聞こえてきた声に、全員が警戒を露わにし出す。
ーー違う。これは……
「いや、ただの風だ」
「エース、あれは人の声だろう？」
「四方から聞こえてくるぜ。なぁ、どうするよお兄さん？」
「危険はないさ……」
「大丈夫よ。エースが言うようにこれは、風なり。風が建物に反響して今みたいな音がしているだけ……でも……」
「でも……なんだ？ A」
「あまりにももの悲しい音だわーー
そう思わない？ ゾロ？」
「ああ……そうだな」
ーーまるでエルマルの町が泣いているようだ。
最後にそう呟いたビビの声が、耳の奥に残って離れない。
「ビビ……」
声をかけようと、ビビに手を伸ばした時だった。
「A！」
エースに呼ばれたと思ったら、手をさっと引かれ彼の腕の中に抱え込まれていた。エースの行動に驚く間もなく、砂嵐が私たちを襲ってきたのだ。
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奏(Kanade)(プロフ) - アリスさん» ありがとうございます！よろしくお願いします^ ^ (2021年5月2日 18時) (
レス) id: 9dfcc2ee40 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 返信ありがとうございます！また更新してくださって嬉しいです！これからも応援しております。 (2021年5月1日 18時) (レス) id: 7e246103d6 (このIDを非表示/違反報告)
奏(Kanade)(プロフ) - アリスさん» 初めまして！コメントの返信が遅くなってすみません。連載この連休で少し進める予定です。アリスさんにこの連載を好きと言っていただけて、すごく嬉しいです！頑張る気力が湧いてきました笑(^^) (2021年4月29日 14時) (レス) id: 9dfcc2ee40 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 奏さん初めまして！いつもこの作品を楽しく拝見させていただいております。この作品はもう更新しないのでしょうか？私はこの作品が凄い好きなので、良ければまた更新再開して欲しいです！ご検討よろしくお願い致します。 (2021年4月6日 18時) (レス) id: d582cbc40a (このIDを非表示/違反報告)
夏蜜柑炭酸(プロフ) - 夢主愛され最高ですよね！！ お悩み中なのですね！救済していただけると私はすごく嬉しいですが死んだとしても奏様のこの作品大好きです！これからも応援してます！ (2021年1月16日 18時) (レス) id: 72cb3f7599 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：奏 | 作成日時：2019年9月25日 19時
