336:終業 ページ36
ーAsideー
「やっときたぜ。生徒会長サマがよ」
寺坂の声に反応した人たちは少し心配そうに様子を伺う。
「何の用かな。…式の準備でE組にかまう暇なんてないけど」
寺坂たちと目を合わせることもなく通り過ぎようとする五英傑に寺坂が強引にストップをかけた。
「おう待て待て。なんか忘れてんじゃねぇのか？」
「浅野。賭けてたよな。買った方が１つ要求できるって。要求はさっきメールで送信したけど、あれで構わないよな」
「まさか今更冗談とか言わねぇよなぁ？なんなら5教科の中に家庭科入れてやってもいいんだぜ？それでも勝つけどよ」
威張りちらす寺坂に相変わらずゲスいなぁと苦笑する。そして、
『学秀』
「…君か。君も僕らを笑いにきたのか？」
『違う、そんなんじゃない。…理事長から聞いた？その、』
「君が拒否し続けてきた要求を理事長側から破棄することにしたというやつか」
『そう！それ』
「君はもう理事長に噛み付く理由がなくなった。それと同時に僕らが手を組む理由もなくなった。そうだろう？」
笑みの裏に隠された感情。学秀は隠せているつもりなんだろうが全く隠せていない。
『確かに私はあいつに噛み付く理由も学秀と手を組む理由はもくなった。だけど、だからって関わる理由もなくなったとか…言わないでね』
学秀は目を丸くして固まってしまう。
『え、そこは間を開けずにうんって言おうよ』
「…そうだな」
学秀は今まで見たことのないくらい柔らかい笑みを浮かべて私のすぐ横を通り過ぎていく。
それに続いて残りの4人もせかせかと行ってしまった。
「Aすごい度胸だね」
カエデのそう言われて、首を傾げて振り返る。
『なにが？』
「本校舎の人たちがいる前でよく浅野くんと会話できるねってこと。周りの視線痛くないの？」
周りの視線…
『うん。気になることもあるけど、過剰反応してたら生きづらいから』
せっかく生きてるんだもん。ただでさえ生きづらいこの世界をさらに生きづらくするなんて、自分の首を自分で締めるようなことはしたくないから。
「そういうところがすごいよね」
「うちらにゃ真似できない」
「それにしても浅野があんな風に笑うの初めて見たよ」
「私も！！」
「Aと浅野ってどういう関係なの？」
『えー、んと…』
理事長を苦しめるために手を組んでたなんて言えない。
『普通に友達…？』
「「あー」」
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eye(プロフ) - 名倉さん» ありがとうございます！夢主ちゃんの複雑な感情が伝わってよかったです。更新頑張ります！ (2019年5月25日 0時) (
レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
名倉 - part7おめでたうです！ 真相が明らかになっていく...！ 夢主ちゃんの感情がひしひしと...こう、ひしひしと伝わってきて、すごいなぁと思います。eyeさんのペースで更新頑張ってください！ (2019年5月24日 22時) (レス) id: c1e6d1df23 (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - よつぎさん» ありがとうございます！なかなか物語が進まず申し訳ないです…！完結目指して頑張ります！！ (2019年5月20日 1時) (レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
よつぎ(プロフ) - いつも、楽しみに読ませてもらってます！Part7でも、更新頑張って下さい！応援しています！ (2019年5月20日 0時) (レス) id: 1767016ec7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：eye | 作成日時：2019年5月19日 22時
