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ーAsideー
「今日テスト終わったら早く寝なよ？」
カエデに怖い顔をされしゅんとする。
「寝不足はお肌に良くないんだから！Aせっかく美人なんだし自分のこと大事にしないと…」
『はは、嘘でも言ってくれるだけで嬉しいもんだね』
「嘘じゃないよ〜！A本当に美人んじゃん！ねぇ業くん」
急に話を振られた業は「えー、俺に振っちゃう？」と眉を下げた。そして少しの沈黙の後、お得意の意地悪そうな顔でうすら笑みを浮かべながら言った。
「まぁ整ってるんじゃない？」
こいつ……
『わぁうれしいなー』
「スッゲー棒読み」
『…そろそろ本校舎行こ』
「え、うん！」
カエデが席に筆箱を取りに行っている間、キョトンとしている業の眉間に人差し指を当てて軽く押す。
「っ！？何！」
『別に。業も行こ』
頭上にたくさんのクエスチョンマークを浮かばせている業に苦笑する。
『テスト頑張ろうね』
私が頑張ることと
私も頑張るからあなたも頑張るんだよなんて、そんな薄っぺらいことを言ってはいけないんだ。
同じ「頑張り」でもヒトによって使う気力や労力が、やり方が違うわけだが、それを理解した上で私は業に「頑張ろう」と声をかけた。
言おうとしていったわけではない。口から出てしまったんだ。止められなかった。
若干の罪悪感を感じながら席に着き、ゆっくり深呼吸をする。
ー
「だー！！終わったー！！」
「一気に疲れた〜」
「帰ったら何する？」
「ゲーム！」
「溜めてたアニメ観ないと！」
「寝よ…」
欲望がダダ漏れになる放課後。
私はカエデとの約束を破って屋敷に向かうため教材をカバンに詰める。
「…どっか行くの？」
『まぁね』
「寝なよ」
『寝てる暇ないの。業も来る？』
業の目が輝く。自分では感情が表に出ないと思ってるのかもしれないけど、業って結構顔に出やすいタイプだと思う。
「あんていく？」
『違う。私の家』
「Aの？」
『そ』
カバンを担いで業を促す。
『早く行こ』
モタモタと準備する業を置いて生徒玄関に向かった。
後ろから追いかけてくる業は草むらを探検しに行く少年のようだった。まだ何も知らない無知な少年。一度裏社会を知ってしまったら、もう無知なあの頃には戻れない。
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eye(プロフ) - 名倉さん» ありがとうございます！夢主ちゃんの複雑な感情が伝わってよかったです。更新頑張ります！ (2019年5月25日 0時) (
レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
名倉 - part7おめでたうです！ 真相が明らかになっていく...！ 夢主ちゃんの感情がひしひしと...こう、ひしひしと伝わってきて、すごいなぁと思います。eyeさんのペースで更新頑張ってください！ (2019年5月24日 22時) (レス) id: c1e6d1df23 (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - よつぎさん» ありがとうございます！なかなか物語が進まず申し訳ないです…！完結目指して頑張ります！！ (2019年5月20日 1時) (レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
よつぎ(プロフ) - いつも、楽しみに読ませてもらってます！Part7でも、更新頑張って下さい！応援しています！ (2019年5月20日 0時) (レス) id: 1767016ec7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：eye | 作成日時：2019年5月19日 22時
