312・ ページ12
ーAsideー
渚達が来たのとほぼ同じタイミングで磯貝が戻ってきた。
「おまたせ」
「あれ?Aも一緒なの?」
『うん』
「やったー!!」
心底嬉しそうに笑うカエデ。そんなに私が好きなのか。
「あ!照れてる!」
『て、照れてないし!』
「あはは!ごまかすの下手だね」
『有希子まで!?』
からかわれながら本校舎に向かう。本校舎は旧校舎と違い外装も綺麗で立派だった。
図書室は校舎内を通らないと入ることができないらしい。
渚達は少し怯えているように見えた。
ENDのE組と呼ばれる私たち落ちこぼれクラスはA組からD組の標的らしい。顔を合わせると必ずと言っていいほどヤジを飛ばされるんだとか。
早速陰口か。
「ねぇ、あの子って」
「やっぱりそうだよね。浅野君と歩いてた子」
「本校舎で見かけないと思ってたらE組だったんだ」
「なんで浅野くんがE組の人なんかと歩いてたんだろう」
「そんなの脅されたからに決まってるじゃん!きっとカッターナイフで切られそうになったんだよ」
「えー!可哀想」
…確かに最初は脅したけどさ。そのあと結構仲良くなったんだからね?帰り一緒に帰ろうって誘ってきたのだってあっちだし。
「やっと着いたぞ。生徒玄関から地味に遠いんだよなぁ」
磯貝がドアを開けると風がふわりと吹き込んできた。
暖かくも冷たくもないただの「風」。
「涼しい〜」
磯貝は何かの紙を図書室のお姉さんに見せた。お姉さんは作り笑顔で「どうぞ」と言ってくれた。
磯貝の後に続き席に座る。さて勉強をしようと教材を開きシャーペンを手に持ったその時だ。
「おやぁ?E組の皆さんじゃないですか」
例の五英傑と呼ばれるA組の中でもトップクラスの奴らだ。前に業から話を聞いた事がある。学秀もその1人だ。と。
「もったいない。君たちにこの図書室は豚に真珠じゃないかな?」
カエデと莉桜が苦い顔をする。会いたくなかったのかな。
「どけよ雑魚ども。そこは俺らの席だ。とっとと失せな」
カエデが立ち上がり反発する。「静かに」という張り紙は眼中にないらしい。
「ここは俺たちがちゃんと予約して撮った席だぞ」
「そーそー。クーラーの中で勉強なんて久しぶりで超天国」
「忘れたのか。この学校では成績の悪るいE組はA組に逆らえないこと」
口論始まっちゃったよ。どうすんのこれ。うっすらと開いているドアの隙間からオレンジが覗く。
154人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「暗殺教室」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
eye(プロフ) - 名倉さん» ありがとうございます!夢主ちゃんの複雑な感情が伝わってよかったです。更新頑張ります! (2019年5月25日 0時) (レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
名倉 - part7おめでたうです! 真相が明らかになっていく...! 夢主ちゃんの感情がひしひしと...こう、ひしひしと伝わってきて、すごいなぁと思います。eyeさんのペースで更新頑張ってください! (2019年5月24日 22時) (レス) id: c1e6d1df23 (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - よつぎさん» ありがとうございます!なかなか物語が進まず申し訳ないです…!完結目指して頑張ります!! (2019年5月20日 1時) (レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
よつぎ(プロフ) - いつも、楽しみに読ませてもらってます!Part7でも、更新頑張って下さい!応援しています! (2019年5月20日 0時) (レス) id: 1767016ec7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:eye | 作成日時:2019年5月19日 22時