準備 ページ3
裕太の家を出て
軽く買い物を済ませて
家に帰る
太輔の好きなご飯を作って
太輔のよく呑んでるお酒を用意して
お風呂に入って、綺麗にお化粧をして待つ…
こうやって、太輔の事思ってると
胸がドキドキして
凄く切なくなる…
太輔と出会ったのは凄く小さい時で
言えば幼馴染みたいな関係…
２つ年上な太輔はお兄ちゃんみたいで
いつも付いて回ってた。
小さい時からずーと好きで
憧れの王子様みたいな？
中学生の時に一回だけ…
告白したけど
俺も好きだよ？なんて、ベタな感じで
流されちゃって…
それから気持ちを伝えた事は一度も無い。
pull pull……着信 太輔
ディスプレイの太輔の文字に
スマホにしがみつく
「はい！」
太輔「え？出るの早く無い？笑」
「そう？笑」
太輔「うん！笑
Aさ、もしかしてご飯作っちゃった？」
「え？なんで？」
太輔「いやっ…ちょっと今日
行けそうに無いかもしれない」
「そっか…」
太輔「ごめんな？彼女がさ
仕事オフになったらしくてさ
全然会えてなかったから、おこっちゃってさ…」
ズキッ…
大好きな太輔の耳元から聞こえる
彼女ってワードに胸がぎゅーって痛くなる…
彼女が居るのは知ってるけど
直接聞くとやっぱり辛いな…
「そっかそっか！
彼女モデルさんなんだっけ？
滅多に会えないんだもんね？
私なんかより彼女優先してあげて！」
出来るだけ明るく振る舞った…
太輔「本当にごめんな？
今度埋め合わせするから…」
「大丈夫大丈夫！
さっき友達に誘われてたから
友達呼ぶし、気にしないで？」
太輔「そっか…
Aのごはん楽しみだったんだけどな
本当にごめん。」
ズルイよ太輔…
そんな風に言われて
嬉しいっておもっちゃうじゃん…
「本当に大丈夫だから
気にしないでーじゃあ
次、高いお肉やさん連れて行ってね？」
太輔「おう！まかせとけ！
俺の知ってる中で1番高いとこ
つれていってやる！」
「絶対だからね？笑
じゃあ、またね」
太輔「おう！」
切れる電話と共に
張り詰めてた気持ちも崩れる。
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作者名：T
| 作成日時：2020年2月14日 3時
