28.喫茶店『春告姫』 ページ30
.
雄英試験本番は明日だが、息抜きに丁度いいかと思い、Aと鶴丸に同行し、元刀剣男士の二人が営業しているという喫茶店に行く事になった。
鶴丸は今ではそれなり有名なヒーローな訳で、普段しない黒い帽子とサングラスをしていた。
ヒーロー服の象徴である真っ白な羽織は手の平くらいの収納道具にしまって、常日頃持ち歩いているらしい。
「さあ着いたぜ」
「「え、近」」
鶴丸がここだと指差した先には確かにまだ真新しい
喫茶店『
場所はまさかの俺達が住んでいるマンションの三軒隣だった。
緑と赤を基調としたなんともシンプルな外装。
その色の二人と言われればなんとなくだが、察してしまった。
「シンプルですが、綺麗な喫茶店ですね」
「だろう？俺もちょっと手伝ったりしたんだぜ」
「何を手伝ったんだ？」
「それは後でのお楽しみだ」
人差し指を口元に当てながら、鶴丸はウインクをするが、俺はそれを見ない様にして喫茶店の中にAを抱えて入った。
扉を開けるとチリンチリンと鈴の音が聞こえた。
ふわりと香る梅の匂いがした。
そこで待っていたのは
「やあ、いらっしゃい……おっと、これはこれは…」
「いらっしゃいま……せ……」
のんびりとした雰囲気を持つ茶ァな緑の髪を持つ鶯丸と、赤い髪にがっしりとした身体を持つ正直者の大包平だった。
やはりこの二人だったか。
これは大包平が苦労しているんじゃないか？
久しぶりの再会に鶯丸はそれ程驚いた様子は無いものの、大包平はびしりと効果音が聞こえる程石の様に固まってしまっていた。
だが、Aはそんな様子を気にすることなく、話し始めた。
「久しぶりですお二人共。こんな姿ですが…私の事、わかりますか？」
「ああ、勿論覚えているさ主。どんな姿でも俺達がわからない筈がない。会えて嬉しい」
山姥切もな、と言い鶯丸は微笑んだ。
あと営業中だと言うのに、何故か鶯丸は手に茶の入った器を持っていた。
鶯丸だから、と思い、深く考えない事にした。
「よかった…。では、改めて自己紹介しますね。私は天野A。こちらは我らが元初期刀の山姥切国広です」
「Aか…いい名前だ。山姥切もそのままなのか。俺は鶯丸友成だ。今は大包平と喫茶店をやっている。俺の事は今まで通り鶯丸でいいぞ。で、まだ固まってるこいつは大前包平だ」
大前包平…オーマイカネヒラ……ふっ、ふふっ。
やばい。
変にツボった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 637人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
橋本アリィちゃん(プロフ) - とても面白かったです！もし続くようでしたら、続きを楽しみに待ってます！(*´ω｀*) (2021年9月26日 5時) (
レス) @page31 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - ぎゃんかわ…これからも無理せずに頑張ってください！楽しみにしてます！ (2020年1月7日 12時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
サヒア(プロフ) - テクノさん» 癒されてあげられている様でとても嬉しいです^ ^ (2019年3月21日 0時) (レス) id: f3e12664ea (このIDを非表示/違反報告)
サヒア(プロフ) - 通りすがりさん» 教えて下さり、ありがとうございます！自分なりに訂正したのですが、まだおかしい点がある様でしたらまたご指摘お願いします！ (2019年3月21日 0時) (レス) id: f3e12664ea (このIDを非表示/違反報告)
テクノ(プロフ) - まんばちゃんと主ちゃんがかわいくて癒されます (2019年3月21日 0時) (レス) id: 5d0adffebe (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サヒア | 作成日時：2018年4月1日 21時
