参ノ怪 花子さんは男の子 ページ5
.
ふわりと宙に浮かんでいたのは一人の男の子。
服装は昔の制服に学帽、二つの人魂、そして半透明の透けている体。
ぎょろっとした大きな金の瞳、切り揃えられた黒髪、私より少し小さい普通の男の子。
まだ痛む額を抑えてながら、宙に浮かぶその子をぽけーと見上げる。
くふふっと独特の笑い方をしながら、大量のもっけと話し始めた。
「勿怪がまさかニンゲンまで取ってくるなんて〜。言っとくけど七不思議の権利はあげないヨー」
「われらななふしぎになりたい、なる」
「だからこいつつれてきた」
「こいつうまそうなにおいする」
「やる」
「やる」
「だからななふしぎにしろ」
「しろー」
「うまそうな匂い?ドレドレ〜?」
「へ、ちょ…!?」
もっけの話を聞いた男の子は“うまそうな匂い”に興味を持ったらしい。
浮いたまま近付き、クンクンと首筋の匂いを嗅ぎ出した。
ちっっか!!?
初対面ですよね!?クソ近くないですか!?
てか幽霊にも匂いって感じられるのか…。不思議だ…。
そして…貴方は誰だ!!?
「…ほんとだ、何これちょーうまそー。俺、この匂い好きだなァ」
「だろ、だろ」
「うまそうなにおいする」
「こいつ、やる」
「やるから、ななふしぎにしろ」
「しろー」
「えっ、この子くれるの?…うーん、どーしよっかなー」
「え"…あの、ちょっと…?」
な、何か闇取引現場に居合わせたみたいな感じなんですが…!?
え、何、私このもっけに売られた!?
七不思議になりたいがために、この男の子に!?
「ちょ…タンマ!!私の意見は!?てか勝手にやるとかやらないとかやめて!?そして貴方は誰ですか!?」
「ありゃ、自己紹介まだだっけ?」
うんうん!と大きく何度も頷く。
それを見た男の子は「こっほん!では!」と姿勢を正し、私の前にしゃがんだ。
「俺は学園七不思議が七番目“トイレの花子さん”、
はじめまして♪」
「あ、貴方がトイレの花子さん…?え、男の子じゃん…何で女子トイレに居るの…変態じゃん」
「ガガーン!いきなり辛辣ゥ!!てか君こそ誰なのさ?呼び出されてないのにニンゲンと会うの俺初めてー」
「も、黙秘権は…」
「だーめ、ほらほら自己紹介してよ〜。じゃないと…」
ぐんっと鼻と鼻がぶつかりそうな距離まで縮めて来た花子さん。
ペロッと唇を舐めながら、
「君うまそーだし、食べちゃおっかなぁ〜」
じょ…冗談に聞こえねー。
.
329人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なな(プロフ) - こういう話大好き!!続き楽しみにしてます! (10月24日 15時) (レス) @page30 id: fe31627149 (このIDを非表示/違反報告)
chisa - キメツ学園と地縛少年花子くんのコラボ、面白かったです。更新楽しみにしてます!これからも頑張ってください応援してます! (2022年10月10日 15時) (レス) @page31 id: c8930b3d1a (このIDを非表示/違反報告)
ふわにゃん - とっても面白いです!続き楽しみにしていますね! (2020年7月28日 19時) (レス) id: 0abe5ea8a5 (このIDを非表示/違反報告)
水無月梅雨 - 犬夜叉要素があって、ものすごく笑いました!これからも頑張ってください!!! (2020年7月5日 12時) (レス) id: 82fc76c663 (このIDを非表示/違反報告)
雨ノ宮紗綾 - 犬夜叉の要素があったりしてめちゃくちゃ面白かったです!更新楽しみにしてます!!! (2020年7月2日 21時) (レス) id: 83427b663d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:サヒア | 作成日時:2020年3月27日 14時