弐拾伍ノ怪 ミサキ階段 ページ27
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そうして平和な昼休みが終わり、放課後がやって来た。いつもの様に教室の花の世話をする寧々と葵を待つ私。
だけど、昼休みが終わってから寧々の様子が少しおかしかった。
それに葵も気付いており、好きな人が出来たの?と聞いても曖昧に返事をするのみ。
昼休みになんかあったの…?
今日は屋上に行ってたよね。
あ、もしかして花子さんと一緒だった?その時に何かあったのかも。
後でこっそり聞いてみよ、と思っていると、葵が寧々を励まそうと七不思議についての話をし始めた。
七不思議の二番目、“ミサキ階段”
その階段の四段目だけは決して踏んではいけない。
決まりを破れば死者の世界に引き込まれ、その身を千に万に引き裂かれてしまう。
そして黄昏時、その階段には犠牲者の血が何処からともなく滴り落ちる。
近くで聞いていた私は若干引いてしまう。
エグい怪異もいたもんだ。
しかもその階段は、美術室の前のB階段だと言う。
「血溜まりを見たって子が何人もいるんだからぁ〜」
「ヒッ」
小さく悲鳴をあげながら、ピトリと私に引っ付く寧々。
葵の話、前までは結構好きだったんだけど。
最近現実になったばっかだし、怖いわなそりゃ。
葵も怖い話苦手な癖して何でこんなにたくさんの怪談話知ってるのか、不思議だわぁ〜。
苦手なら、普通知りたくないよね?
「私は怖い話ってちょっと苦手だけど…寧々ちゃんが元気になるならいくらでもしてあげるからねっ」
「葵…」
にこっと笑ってそう言い切る葵に、私は一人静かに感動していた。
すると、「おーい」と先生が教室にやって来て葵の名前を呼ぶ。
どうやらこれから進路相談があったらしい。
「そうだった!すぐ行きます!…あ、寧々ちゃん!それにAちゃんも!」
「「?」」
「また怖い話探して置くから、元気出してねっ!」
「え。わ、私もなんだ…」
大きく手を振りながら教室を出て行く葵に、私と寧々もヒラヒラと手を振り返す。
…さて、葵が進路相談してる間に、っと。
「…で、寧々?今日何があったの?どうせ花子さん絡みでしょ」
「ウッ…!えっと…じ、実はね…?」
それは見事に図星だった様だ。
寧々はまた少し元気がなくりながら、ボソボソと昼休みに合った出来事を話してくれた。
それを聞き終わった私はただぽかんと口を開ける。
祓い手…しかも源って…会長と同じ苗字じゃん。
じゃあ…会長も祓い手?
…まさか、ね。
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なな(プロフ) - こういう話大好き!!続き楽しみにしてます! (10月24日 15時) (レス) @page30 id: fe31627149 (このIDを非表示/違反報告)
chisa - キメツ学園と地縛少年花子くんのコラボ、面白かったです。更新楽しみにしてます!これからも頑張ってください応援してます! (2022年10月10日 15時) (レス) @page31 id: c8930b3d1a (このIDを非表示/違反報告)
ふわにゃん - とっても面白いです!続き楽しみにしていますね! (2020年7月28日 19時) (レス) id: 0abe5ea8a5 (このIDを非表示/違反報告)
水無月梅雨 - 犬夜叉要素があって、ものすごく笑いました!これからも頑張ってください!!! (2020年7月5日 12時) (レス) id: 82fc76c663 (このIDを非表示/違反報告)
雨ノ宮紗綾 - 犬夜叉の要素があったりしてめちゃくちゃ面白かったです!更新楽しみにしてます!!! (2020年7月2日 21時) (レス) id: 83427b663d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サヒア | 作成日時:2020年3月27日 14時