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そんな私の反応を見た盗一さんは『ふむ。そうか…』と何か考え出した。
…えーと?何かあったんですか。
と云うか、私にそう云う事を訊くと云う事は私が関係しているんですか?そうなんですか?…そんなんですね、はい。何となく察しましたよ…。
誰かに会ったか?って訊かれたから太宰さんとか福沢叔父ちゃんとかが頭を過ぎったンですけど…何か問題が?
え、物凄く不安。
其れが顔に出ていたのか、盗一さんが『心配ない』と笑った。
『心配せずとも、Aちゃんは我が息子が守るさ。安心するといい』
「否…ですけど…」
『おや、ではAちゃんは快斗が信用出来ないと?』
「そっそう云う訳では…!」
『それなら信じてやってくれないか。例え、君が攫われたとしてもあの子はきっと見つけるさ』
「…そう、かもしれません…」
『ふふ、何せ私の自慢の息子だからね。それに…私も居る』
と胸を張り乍、盗一さんは満足気にそう云った。
其れを見た私は不安がっていたのが莫迦っぽく感じて来た。
慥かに快斗君なら見つけて呉れそう!盗一さんも居るし!
…………ん?
待って。
今、そうやって流されたけど、私が誘拐される時が来るかもしれないって遠回しに云ってません?…云った、云いましたよね!?云いました!!絶対!!
バッと勢い良く盗一さんの方を見上げるが、変わらず笑顔の儘だ。
さ、流石世界一と云われたマジシャン…。
ポーカーフェイス完璧過ぎ。何を考えるか全然判りませんねっ!
其の笑顔に何とも云えなくなっていると、ぐいっと青子ちゃんに腕を引かれた。
「バ快斗なんか置いてさっさと青子達だけで帰ろ!なんかお邪魔みたいだし!」
「そ、そだね…ウン」
「あ!ちょ、待てよ青子!Aも!俺も一緒に帰るって!じゃあな紅子!」
慌てた様に快斗君も来て、結局何時も通りの三人で帰る事となった。
此の後直ぐに起こる
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前を歩く二人と他愛ない会話をし乍、私達が校門を潜った時だった。
見慣れない黒い車が停まった。
其れに気付けたのは私だけだろう。
前の二人は談話を続けていたから。
其の儘特に気にせず、二人の後ろを歩こうとした時だった。
「え…」
其の黒い車の扉が開き、其処から突然伸びて来た手に腕を掴まれ、強い力で車の中へと引き込まれた。
バンッと音を立てて扉は閉まり、其の儘車は発進してしまった。
え…?
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9Sに殺されたいロリコン - あ…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………キモくてすんません (2019年8月31日 20時) (レス) id: 23809db5c5 (このIDを非表示/違反報告)
9Sに殺されたいロリコン - すみません……この子が可愛すぎて悶てるわぁっ!!あぁっ!!喰いたい。(真顔)安室さんの女スカ? (2019年8月31日 20時) (レス) id: 23809db5c5 (このIDを非表示/違反報告)
サヒア(プロフ) - リリンゴさん» 本当ですか!?有難うございます!続編を作ってる最中なので、是非出来たら其方も読んで頂けると嬉しいです! (2019年7月16日 23時) (レス) id: f3e12664ea (このIDを非表示/違反報告)
リリンゴ - おもしろいです!最高ですね! (2019年7月13日 18時) (レス) id: 547ee901cf (このIDを非表示/違反報告)
サヒア(プロフ) - 綾乃さん» 綾乃さん!いいお名前…!有難うございます!頑張らさせて頂きます! (2019年7月7日 20時) (レス) id: f3e12664ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サヒア | 作成日時:2019年4月16日 1時