【文スト】何か物騒な処からスカウトされてる【名探偵コナン】

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働く？？


誰が？私が？

何処で？武装探偵社で？




…んんんんん〜〜？？



如何してそう云う事になったンですか？

私、未だ学生。高校生。女子高生。未成年。
未だ働くには少々早いかと…否！そう云う問題ではなくて！


な、何で？

私みたいなヘタレな未成年をスカウトしてるの？仕事とか絶対足手纏いになるのが落ちなのに。


私が…私がお爺ちゃんの…有島武郎の孫だから？





「あ、云っとくけど、私はAちゃんが有島武郎さんの御孫さんだからって云う理由で勧誘してる訳じゃないから」





太宰さんにスパンッと考えていた事を言い当てられる。


そして更に混乱してしまう。

それを何処か楽しげに見ている太宰さんと、其の後ろに相変わらず無表情な織田作さん。



……何を考えているのかさっっっぱり判らないンですけど。


ポーカーフェイス御上手過ぎません？





「ふふっ、“判らない”って顔してるねぇ」

「……はい、判らないです」

『安心しろ。俺も判らない』

「…さいですか」

「ん？」

「いっ、いえ！？何でもありませんよ！？はい！」





慌てて誤魔化す。
誤魔化されているのかは不明だが。


やや間が空いた後、太宰さんは「まァいいけどね」と云う。





「率直に云うとだね」

「率直に云うと…？」





たっぷりと息を吸い、じっと続きを待つ。


そして太宰さんは、先程の怖い位の笑顔ではなく、何かに蕩ける様な、何かとても眩しいものを見る様な、愛しいものを見る様な、そんな優しさがある表情した。

其れを見てどきりと心臓が高鳴った。





「欲しい…と、思ったのだよ」

「……ほ、欲しい…？」





「うん」と頷き、何かを愛おしむ様な表情で此方を見る。

そしてポツリと一言。





「“生きる意味”を、私に呉れた君が」

「！此れ…」





其の言葉と共にコトリと置かれるあるもの。


其れは、私があの時太宰さんに渡したお弁当箱だった。





「此れ有難う。全部食べた。…とても、美味しかったよ」





あの時、私が云った事…覚えて呉れてたンだ…。

真逆、だからこうして、私に其の感想を云いに会いに来て呉れたの？





「本当に、美味しかったのだよ」





其の一言に何故か無性に泣きたくなった。


此の短い間だけだったが、私は彼に生きる意味をあげる事が出来たと思っても、少し自惚れても善いのだろうか。



こんな私でも何か出来る事があるのだと。









武装探偵社に入るかは別の話だけど。




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