出逢いは突然やって来る ページ3
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ジュージューと卵が焼ける音をBGMに、私はせっせとお弁当作りに励んでいた。
綺麗に焼き上がった卵焼きをお弁当箱に詰め、花型に型抜きをした人参を添えて、私特製お弁当の完成だ。
「よし、完成!…ってもうこんな時間!?」
早く出ないと学校に遅刻する!
急いで出来上がったお弁当を風呂敷に包んで、側に置いていた鞄を持って家を出た。
其処で忘れ物をしていた事を思い出し、振り返る。
「いってきます、お爺ちゃん!」
玄関に飾っているお爺ちゃんの写真にそう云い、私は駆け出した。
ふっふーん、私足だけには自信あるから全然余裕で間に合うもんねー!
お爺ちゃんが亡くなってから一週間が経った。
突然始まった一人暮らしだったが、今の処何の問題も無く生活出来ている。
私は幼馴染と呼べる仲の好い友達が居るだけで、かなり心の支えになっていると思う。
更に云うと世界には私なんかよりもっと辛い思いをしている人が居る。
其れに比べれば私なんてかなり恵まれてる方だと思うンだよねぇ。
逆に今を不幸だと云う方がお爺ちゃんにも、周りの皆にも、そして私自身にも失礼だと思うし。
前向きにポジティブに生きようと意気込み乍、角を曲がるとドンッと誰かと打つかってしまう。
「ぅわ!?」
「お、っと」
其の瞬間、「少女漫画かな?」と思った自分の頭を却説、如何したものか。
否、今はそんな事如何でもいい。
どどど如何しよう!?
だから走る時は気をつけなさいって云われていたのに!
朝っぱらからやっちゃった!
打つかった反動で後ろに転けそうになった処を、其の打つかった誰かが支えてくれた。
直ぐに謝罪しなければ、と顔を上に上げる。
「すっすみませ………っひょえ!?」
が、打つかった相手が凄くかなりヤバい位の美形さん過ぎて、私は其の儘変な奇声を上げて固まってしまった。
「ぷっ、『ひょえ』って…可愛いねぇ。嗚呼、済まない、可憐なお嬢さん。大丈夫だった?」
「かわ…!?おっ、おじょ、お嬢さんんん!?」
年寄りのおじいさんとかお店の人とかなら一、二度云われた事があったが、こんな美形さんに云われた事など無かった。
増してや可愛いなんて、こんな目の前で堂々と云われた事なんか無い。
テンパる私を見て美形のお兄さんは、可笑しそうにクスクスと笑っている。
ううぅ〜…!
は、恥ずかしい…!
穴があれば直ぐに入って隠れてしまいたい…!
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9Sに殺されたいロリコン - あ…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………キモくてすんません (2019年8月31日 20時) (レス) id: 23809db5c5 (このIDを非表示/違反報告)
9Sに殺されたいロリコン - すみません……この子が可愛すぎて悶てるわぁっ!!あぁっ!!喰いたい。(真顔)安室さんの女スカ? (2019年8月31日 20時) (レス) id: 23809db5c5 (このIDを非表示/違反報告)
サヒア(プロフ) - リリンゴさん» 本当ですか!?有難うございます!続編を作ってる最中なので、是非出来たら其方も読んで頂けると嬉しいです! (2019年7月16日 23時) (レス) id: f3e12664ea (このIDを非表示/違反報告)
リリンゴ - おもしろいです!最高ですね! (2019年7月13日 18時) (レス) id: 547ee901cf (このIDを非表示/違反報告)
サヒア(プロフ) - 綾乃さん» 綾乃さん!いいお名前…!有難うございます!頑張らさせて頂きます! (2019年7月7日 20時) (レス) id: f3e12664ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サヒア | 作成日時:2019年4月16日 1時