教師になる前の俺10 ページ12
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こうしている間にも、教師達が俺の部屋をせっせと用意してくれていると言うのに。
はあ…とベッドの上で溜息を吐いた時、コツコツと誰かの足音が聞こえた。誰だ?と出入り口の方に目を遣り、足音の主が姿を現すのをじっと待つ。
そうしてやって来たのは…
『トレイン先生!』
嬉しくて思わず叫んだ俺を見て、少し笑いながら「まだ安静にしないといけない」と注意するトレイン先生だった。
この数日で、学園長とクルーウェル先生以外の教師とも実はちゃっかりと挨拶を済ませていた。
中でもバルガス先生は体育系専門教師なので、これからお世話になる事が増えるだろう。だが、あの筋肉!筋肉!と常に筋肉に付いて語るので最初はよかったのだが、それがずっととなると流石にしんどい。
とう◯ぶのぶっしーとちょい似てね?
そしてその時に一緒に挨拶に来てくれたのが、この見た目は怖そうだけど実はめっちゃ生徒想いの優しい教師、トレイン先生。時々こうして学園の授業科目やこの世界の常識についての本等を持って来てくれるのだ。
トレイン先生は、俺の夢物語な話も親身になって聞いてくれて、更によく頑張った、と頭を撫でてくれた。その瞬間に懐いたよね。スキ。
なので、トレイン先生は俺の中でトップに君臨する程の素晴らしい先生なのだ。
「今日は子どもでもわかる古代呪文語の本などを持って来た」
『古代呪文語…て、うわ、なんだこれ読めない…』
「と言うだろうと思い、私が教えに来た。
他にも分からない事があるなら、遠慮なく言ってくれて構わない」
『…トレイン先生って、神?』
ベッドの傍にある椅子に腰掛けながら、何冊か初めて見る本を持って来てくれたトレイン先生。
しかも分からない事は何でも聞け、と言ってくれるではないか。神か??
この際なので、正直に英語が読めず、絵本から脱出出来ずにいる事を伝えると「そうか、字が…」と何か考える様に手を顎に持って行く。
そこで何か思い出したのか、「少し待っていろ」と席を立ち、出て行ってしまった。
何だろ、とソワソワしながら待っていると手に小さな箱を持ってほんの数分で戻って来た。そしてその箱を受け取れ、と渡されて素直に受け取った。
何々、これ何なの?
何入ってんのこれ。こわ…いやいや!トレイン先生が持って来てくれたものが危険な筈ない!!
『…これは?』
「開けて見なさい」
不思議に思いながら開けると、そこには綺麗な眼鏡らしきものが入っていた。
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ばってん(プロフ) - すっごく面白いです!一気読みしちゃいました!!😳😳 (2022年11月28日 21時) (レス) @page32 id: 33b58415e3 (このIDを非表示/違反報告)
スノードロップ - 待ってました!!更新頑張って下さい! (2020年10月19日 22時) (レス) id: ad5105468f (このIDを非表示/違反報告)
まりん(プロフ) - めっちゃ好きです続き楽しみにしてます!!!! (2020年10月16日 11時) (レス) id: c0419a06cc (このIDを非表示/違反報告)
抹茶タピオカ2号(プロフ) - とても面白かったです( ≧∀≦)ノフロイドの赤面は、無しだよ〜キャー!になるよ?キャー!に?(?) (2020年8月20日 1時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
琉 - めちゃくちゃ面白いです!続き楽しみにしています!更新頑張ってください! (2020年8月19日 0時) (レス) id: 8d7c4e2f4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サヒア | 作成日時:2020年5月29日 1時