また明日 ページ49
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なんて、騒いでいると学園長が何やらブツブツと独り言を呟き、そして閃いた様に私達に古いカメラの様なものを差し出して来た。
何だこのカメラ、と思っていると学園長が簡単に教えてくれた。
これは通称ゴーストカメラと呼ばれるもの。
かなり昔の代物で、被写体の姿だけでなく、魂の一部
そしてそれがまるで心霊写真の様な事からゴーストカメラと呼ばれているらしい。
…やべえやん。
ほんと異世界の人間って何考えてんのかわかんないわァ。
「と言う事でユウ君、A君。
二人はこのカメラでグリム君や他の生徒達を撮影し、学園生活の記録を残して下さい」
「らんららん♪オレ様がかっこいい所じゃんじゃん撮るんだゾ〜♪」
「……特にああ言うお調子者が悪さをした時には、必ずメモリーを残して置く事。私への報告書代わりにうってつけでしょう?」
「わ、わかりました…。ありがとうございます」
周囲に目を光らせて記録するように!と学園長に強く言われて、私達は渋々と頷く事しか出来なかった。
ユウ君が受け取ると、また学園長が私は優しい!とか言ってるがあんなの無視だ、無視。
「さて、今日はもう遅い。詳しい話は明日にしましょう。皆さん、寮に戻らなさい」
「では、失礼します」
一応一礼をし、私達は学園長室から出て長い廊下にまでやって来た。
「はぁああ〜〜っ…。退学免除…力が抜けた」
「やれやれだねー」
「らんららん♪明日からオレ様もナイトレイブンカレッジの生徒なんだゾ!オマエ達なんかぶっちぎって、学年首席になってやるんだゾォ〜〜!」
「『はは…』」
「三人で一人の半人前の癖してよく言うぜ。…まー、良かったんじゃないの?」
「明日からは同級生だな。A、ユウ、グリム」
あ、そっか。
この二人って一年生なんだっけか。
まあ…でも、なんかこの二人とは長い付き合いになりそうだなぁ。
「『改めてよろしく!』」
ユウ君と笑顔でそう言うと、何処か二人は照れ臭そうに笑った。
そして気付けばまた始まる二人の口喧嘩。
喧嘩する程仲が良い、と言うやつなのかもしれない。
そして「また明日」と言いながら手を振って、私達は互いの寮へと戻って行った。
さあ、また明日から色々頑張らないと!
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作者名:サヒア | 作成日時:2020年5月7日 2時