グリム、魔法石ゲットだぜ ページ47
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だがしかし、殴りかかろうとした私をユウ君が抱き付きながら止めて来たので、手を仕方なく下ろした。
学園長も学園長で、私のこのキレ状態に免疫がつき始めているらしく、特に怯えた様子もなく、それが更に私を苛つかせた。
「ま、魔法使えないのにいいんですか？」
「ええ。何せ私、とびきり優しいので。ですが、一つだけ条件があります」
『条件？』
「貴方方は魔法が使えない。魔法士としては論外です。満足に授業を受けることすら出来ないでしょう。
そこで＿＿＿＿＿グリム君。
君は今日、魔法士として十分な才能を持っていることを私に証明しました」
…まさか、この流れはまさか…？
「よって、ユウ君とA君と三人で一人の生徒として、ナイトレイブンカレッジの在籍を認めます」
「ふな"っ！？オ…オレ様も、この学園に通えるのか…？雑用係じゃなく、生徒として？」
「はい。…ただし！昨日の様な騒ぎは二度と起こさない様に。いいですね？」
「ふな…ふなぁ……ユウ、A…オレ様…」
学園長からの言葉が余程嬉しかったらしく、目に大粒の涙らしきものを溜めて私とユウ君を見上げて来た。
グリムも素直なら凄く可愛いのに、と思いながら私とユウ君は笑って「よかったね」と言ってグリムの頭を撫でた。
そしてグリムは目を擦り、大きくガッツポーズ。
「ふなぁぁああ〜〜〜！！やったんだゾ！！」
「それでは、ナイトレイブンカレッジの生徒の証である魔法石をグリム君に授けましょう」
「ほわ！？魔法石？」
学園長の魔法で、グリムのリボンにアメジストの様な綺麗な紫色の魔法石が取り付けられた。
あのエース達のマジカルペンに付いていた宝石の様なものは魔法石だったのかと、改めて再確認する。
えーいいなぁ、と少し思っちゃうのは仕方ないよね。
けど、私とユウ君には魔法使えないし、魔法石なんか持ってても宝の持ち腐れだもんね。
欲しいけど。
「本来生徒は魔法石が付いたマジカルペンを使うのが決まりですが、その肉球では上手く握れないでしょう？特別カスタムです。ああ…なんと細やかな気遣い！私、優し過ぎませんか？」
『そんな真顔で言われても…。て言うか、いつも思うんだけどさ、最後ので全部台無しになるからやめたら…？』
「やったんだゾ！！かっけーんだゾ！オレ様だけの魔法石の首輪なんだゾ〜♪」
…まあ、でも。
グリムがあれだけ喜んでいるなら、今はいっかな。
今は、ね。
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作者名：サヒア | 作成日時：2020年5月7日 2時
