喧嘩勃発！？ ページ36
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「ふぎゃぁあああーーっっ！！でででたぁあああ！！」
「バカ！落ち着けって！」
「くそっ、ゴーストに構ってる暇なんかないって言うのに…！」
『とりあえず走ってゴーストを撒こう！』
「早くこっちに！」
テンパるグリムが近くにいた私に抱き付く。
意外と重い…なんて思いつつも、物騒なことを言うゴーストから逃げる為、私達はとにかく走った。
しばらく走った所で後ろを振り返ると、そこにゴースト達の姿はなかった。
どうやら振り切れた様だ。
と、思っていたのに。
何処からか、いやすぐ近くに何かがいる気配を感じた。
グリムもそれに気付いたらしく、肩を震わせていた。
「ふぎゃ！？い、今何か物音がしたんだゾ！？」
「さっきのゴーストは撒いたはずだが…？」
「しっ！向こうに何かいる…！」
「あれは…ゴースト！？」
見ると、そこには先程とは違うゴーストが彷徨いていた。
この鉱山はドワーフ鉱山ではなく、ゴースト鉱山なのでは？と思った自分は悪くない。
「ここもゴーストがうろうろしてんのかよ！」
「一々構っていたらキリがない。先を急ぐぞ！」
「…偉そうに命令しないで欲しーんだけど」
…おっとぉ？
雲行きが怪しいんですが。
こんな所で喧嘩勃発ですか？
「大体、お前があんな馬鹿な真似しなきゃ、こんな事になんなかったのに」
「元はと言えばお前が掃除をサボったのが原因だろう」
「それを言ったら、最初にハートの女王の像を燃やしたのはそこの毛玉だぜ！」
「ふな"っ！オマエがオレ様を馬鹿にしたから悪いんだゾ！」
「お前達！今の状況がわかってるのか！？朝までに魔法石を持って帰らなければ、僕達は退学なんだぞ！」
「だぁから、さっきから一々仕切んなよ。ムカつくなあ」
「三人共落ち着いてよ！」
『こんな所で喧嘩とか、勘弁しろよ……ん？』
ふと、洞窟の奥の方から何やら呻き声の様なものが聞こえた。
幻聴かとも思ったが、先程から聞こえているので幻聴ではないらしい。
ならば、一体誰の声だ？
私は一人耳を澄ませた。
《……せぬ…うぅ……》
「「「「！！」」」」
『何か…いる…』
皆にも聞こえ静かになった時、その声が更に明確に聞こえた。
そしてその声の主は確実にこちらに近付いていると言う事も。
《い…し……ウゥウウ……オデノモノ…》
『…石、は…おれのもの？』
まさか…魔法石の番人、的な？
そんな私な予感が的中してしまった。
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作者名：サヒア | 作成日時：2020年5月7日 2時
