ユウ君が可愛過ぎる ページ21
.
「闇の鏡が異世界人を二人も連れ、更に一人は女性だったなんて…。ああ、なんてことでしょう…！前代未聞過ぎてもう私頭が痛いですよ！」
『いやそれはこっちの台詞なんだわ！？何で男子校に私連れて来られてんの！？性別間違ってますけど！？てかせめてさぁ…』
女だって気付いて欲しかった…！！
気付いてくれたのユウ君だけじゃん…。
男子校で女子一人って……乙女ゲームじゃあるまいし少女漫画でもあるまいし！！
私、そう言うの一番嫌なんだわ！！
え、これから帰るまでどう過ごせと？
男装しろってか？どれくらいで帰れるのか分かんないのに？いや面倒臭ぇえええ！！生活するのも一苦労じゃんか！
あー、でも変装得意でよかったわ、ほんとに。
怪盗やってた自分に感謝ですよ。
「…えぇと、そのぉ…Aさんには大っっっ変！！申し訳ないのですけど…。しばらくの間、貴方には男装して頂きます。男子校に女子生徒が居ると知れば、学園大パニックですからね…」
『クソが。………じゃあその分、金巻き取るんで。そのつもりで』
「…………………致し方ありません」
いやさ、本当に何で私、ここに連れて来られたんだろうね？？
もう意味がわからないよ。
あー、明日からの生活が不安しかないわー。
快斗助けて〜。この際名探偵でも白馬君でも紅子ちゃんでもいいからぁあ〜。
誰か私をこの世界から連れ出してくれ。
頼むマジで。
そうして、私が女と言うことは、私とユウ君、グリムにカラス野郎だけの秘密と言うことになった。
「お金足りますかね…」とブツブツ呟きながら、カラス野郎は帰って行った。
そして気になった事が一つある。
『ユウ君はさ、何で私が女だってわかったの？』
「えーと…声と手、かな。男にしては高めの声だし、手は肌が綺麗で後は手首も細かったし……それに、いい匂いしたし…って、ごめん！気持ち悪かったよね！？ほんとごめん！」
両手を合わせて謝ってくるユウ君の顔が、黒い髪の隙間から赤くなっているのが見えた。
え、この子…可愛い過ぎじゃん。
それに観察眼もあるし、怪盗向いてるんじゃない？
あ、探偵だけは却下ね。これ以上面倒臭いの増えるの嫌なので。
『…ぶっ！ユウ君ったらかーわい♪そんなの気にしないよ。帰れるまでだけど、これからよろしくね。グリムも』
「！うん、もちろん！」
「フン！ここに居る間だけなんだゾ！」
まあでも、なんとかなりそうでよかった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 362人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サヒア | 作成日時：2020年5月7日 2時
